人民元相場の基調について、「長期的に見れば、人民元はまだ強い通貨であり、今後も上昇基調に入る可能性がある。人民元相場の下落は止まっており、人民銀は人民元相場を合理的な均衡ある水準で安定を維持する能力がある。今後も人民元市場化に向けて相場形成メカニズムの改革を推進し、為替レートの決定に果たす市場の役割を一段と強める」と強調した。
為替相場は経済のファンダメンタルズに左右されるが、モノやサービスなど海外との総合的な取引状況を表す経常収支も決定的な要素の1つだ。中国の経常収支は長期に渡って黒字が続いており、2015年1~7月の貿易黒字は3052億米ドルに上った。15年上半期の中国GDP成長率は7%を維持、主要経済指標は7月も安定傾向が続き、経済情勢にもポジティブな変化が現れている。外貨準備は余裕があり、財政状態も良好。金融システムは安定しており、貿易投資や資産の配分などにおける海外の人民元需要も徐々に増えている。このようなファンダメンタルズを見れば、人民元は今後も引き続き強い通貨であり、上昇基調に入る可能性があるとしている。
易綱副総裁は、人民元相場形成メカニズムの市場化は経済の長期安定にプラスに働くとの認識を示した。「硬直した固定相場制は中国の実情に合わなくなっており、持続不可能だ。柔軟な相場形成メカニズムは経済成長や国際収支の安定化にもつながる。柔軟な為替相場は人民元の国際化にポジティブな影響を及ぼす」と述べた。
(チャイナネット)
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