【新華社北京3月9日】日本政府は6日、『防衛省設置法』改正案の閣議決定を採択し、防衛省の背広組(文官)の制服組自衛官に対する優位性を廃止し、自衛隊の独断的な行為を防止する重要な防御線を事実上、廃棄した。
防衛省の文官が制服組自衛官より優位に立つ地位は、日本が戦後に第二次世界大戦期間の軍隊の独断的な行為の教訓を汲み取って設置した制度で、即ち「文官統制」だ。この「文官統制」は「国会統制」、「内閣統制」などとともに軍隊が再び勝手な行動を取ることを防ぐ防御線を形成してきた。
日本の防衛省の官員は主に2つの部分で構成される。一つは統合幕僚長(参謀総長に相当)及び陸上、海上、航空自衛隊幕僚長(参謀長)をトップとする自衛官で、「制服組」とも称される。もう一つは防衛省官房長、省各部局局長をリーダーとする文官で、「背広組」とも呼ばれる。
現行『防衛省設置法』第12条の規定によると、防衛大臣が「制服組」に指示、指令、又は批准を下達し、各項目の軍事計画プランの監督と指導を行う際に、「背広組」は防衛大臣を補佐する権限を有する。即ち、各自が分業し、管理する分野に合わせて、防衛大臣に関係方面の提言を行う。これにより、「背広組」の防衛省の策定における実際の権限は「制服組」よりも強力であった。
一方で、6日に採択された『防衛省設置法』改正案では、防衛大臣を補佐する権利が「背広組」から「制服組」に拡大され、表面的に二者の地位が対等になったが、事実上は文官が自衛官を制約する権限が剥奪された。
この改正案で自衛隊作戦行動を掌握し、管理する防衛省文職部門「運用企画局」を廃止し、その職能を幕僚監部(総参謀部に相当)と統合させることが決定された。これは「制服組」が自衛隊作戦などの各項目の行動の主導的な核心になることを意味する。
このほか、改正案で防衛省に「防衛装備庁」を新たに設置し、武器調達、研究開発、モデルチェンジ、防衛装備の国際協力などの軍需・軍備関連業務の統括に責任を負うことが確定された。日本のメディアの報道によると、「防衛装備庁」の人員規模は約1,800人に達する。
日本政府はまた、次のように説明している。この改正案は防衛省の策定効率と自衛隊の各項目の行動の効率を向上させるためにプラスとなる。一方で、これについて世論と学者は、この「改革」は実質的に自衛官が自衛隊を統制する優位性を再構築し、日本が戦争の歴史的教訓を徹底的に否認するものだと指摘した。
(新華網日本語)
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