【新華社北京3月3日】日本の徳仁皇太子は今週、誕生日前の記者会見で、今年は第二次世界大戦終戦70周年にあたり、過去を謙虚に振り返り、戦争を体験していない次世代に歴史を正しく伝え、平和への信念を伝承していくべきだと述べた。徳仁皇太子は、日本は戦後、平和憲法を「基石」として国家を再建したからこそ、平和と繁栄を享受できた、と語った。
徳仁皇太子のこの談話は、日本の安倍首相に対する「警鐘」として受け止められている。同様に、安倍首相に「警鐘」を鳴らした人物は日本の村山富市前首相も含まれる。村山前首相は今週、「安倍談話」で「村山談話」の「殖民地支配と侵略」などに関わる表現方式を修正する可能性があるという件について、次のように述べた。日本が韓国と中国に対して行った植民地支配と侵略は否認できない事実であり、これらのキーワードが欠ける「安倍談話」は世界の人々の日本に対する疑念と不信任を招くことになる。
また、日本の河野洋平前衆議院議長、最大野党の岡田克也代表、日本の執政党、自民党の高村正彦副総裁及び同党のその他の数名の政府要人も意見を表明し、安倍首相が「安倍談話」で「村山談話」の侵略の歴史に対する反省を明確に継承するように促した。
日本各界から勧告が集中したのは、安倍首相の「右寄り」傾向がますます顕著化していることに起因している。2月25日夜、安倍首相は首相官邸で「安倍談話」に協力する有識者16人を召集し、初会合を開いた。このうち、集団自衛権の解禁を主張する北岡伸一氏、旧日本軍による「慰安婦」強制連行は「韓国のねつ造」だとする文章を執筆した西原正氏、靖国神社参拝を支持する中西輝正氏及び日本が発動した侵略戦争は「自衛」だと主張する的堀義人氏が含まれる。このような人選をする安倍首相の歴史観に懸念を抱く。 2月26日、日本の自民党「憲法改正推進本部」は会議を開き、来年夏の参議院選挙後に、憲法改正案の決議に向けた目標を提示することを確定した。憲法改正を実現するため、容易なことを先に、困難なことを後で取り組み、「緊急事項条項」、「財政紀律条項」などの敏感ではない内容について、初の憲法改正を推進する準備を行っている。日本近代史の専門家で、米国ハーバード大学のゴードン教授が指摘するように、歴史への自省を回避する行為で日本の勇気と誇りを真に強めることができるのだろうか。これは一種の臆病な発想だ。国家の誇りは謙虚と悔い改め、誠実に過去と向き合う姿勢を土台にして成り立つべきものだ。
中国の春節期間に、多数の中国人観光客が日本を旅行した。『日本経済新聞』は、日本の国内消費市場はこれによって活性化し、2月に日本の小売り市場が停滞した局面が一転した。経済の持続的な低迷、且つ高齢化社会を迎えた日本にとって、周辺諸国こそが日本が経済の長期発展のために最も掌握すべき機会になるのだが、安倍首相の「右寄り」は隣国からますます遠ざかっている。たとえ安倍首相が最終的にその政治的思惑を実現できたとしても、隣国を洪水のはけ口とみなす政策は日本国民にどれほどのメリットをもたらすのだろうか。平和憲法を「基石」に戦後の繁栄を実現した日本は今後、いかにして前進するのだろうか。日本の指導者が歴史を鑑とし、正視してはじめてより良い未来があると理解することを希望する。
(新華網日本語)
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