「9000億元の赤字規模は今回の積極的財政策実施前の03年に、それまでの最大規模の赤字となった3198億元と比べても絶対額が依然として非常に大きく、これは積極的財政策による景気拡大の度合いが強力なものだったことを意味している」、人民政治協商会議(政協)全国委員で財政省財政科学研究所所長の賈康氏は新華社記者にこう語った。
「現在、中国が財政策による景気刺激の一定の度合いを引き続き維持する必要があるのは、世界経済の成長が依然として比較的大きな不確実性に直面しているためで、中国経済が安定成長に向かうためには、まだ政策支援が必要だ」、賈康氏はこう述べ、さらに次のように指摘した。危機対応の中で実施した建設プロジェクトを完成させるだけでなく、第12次5カ年計画(2011―15年)の重要事業の始動、さらにインフレリスクへの対応と教育、医療など民生分野の改革加速はいずれも財政投入を増やす必要があり、マクロ経済政策の連続性、安定性を維持する必要がある。
しかし、大規模な赤字増加は必ず財政リスクを増大させる。現在、国際的に二つの指標で一国の財政リスクを評価している。一つは赤字の対GDP比、即ち赤字率が3%を超えないことであり、もう一つは国債の残高で、対GDP比、即ち債務率が60%を超えないことである。
5日明らかになった財政予算報告によると、今年、財政赤字の対GDP比は過去2年間に比べ多少下がり、赤字率は10年の2・5%から2%前後に低下する。
データによると、昨年末現在、中央財政の国債残高は6兆7526・91億元で、40兆元近くのGDP総量と比べ、負債率は国際的警戒ラインを大きく下回っている。