【新華社北京3月7日】世界的金融危機の背景の下、中国は一時国際的警戒ラインの3%に迫った財政赤字が今年2%前後の安全レベルまで下がる見込みとなった。温家宝首相は5日の政府活動報告の中で、今年の財政赤字を9000億元とするとことを明らかにした。これは09年予算に計上した9500億元と10年初めに計上した1兆500億元の赤字規模を下回っている。
中国の権威ある財政経済の専門家は次のように指摘している。ユーロ圏や米日など先進国の財政赤字が高止まりしている中で、中国の財政赤字規模の圧縮は外部世界に積極的財政政策によって適度の拡張を維持することを強調すると同時に、財政リスクを強力に抑制する前向きのシグナルを発信するものである。
政府の支出規模と財政赤字の拡大は積極的財政政策を示すもので、08年末に世界的金融危機が起きて以来、中国は危機による影響に対応するため積極的財政政策と適度緩和の金融政策に転換した。09年の赤字規模は9500億元に急増し、新中国成立以来最高の赤字を記録した。
今年の政府活動報告によると、中央財政の赤字として7000億元を計上し、引き続き地方政府に代わって2000億元の地方債を発行し、地方予算に組み入れ、赤字規模は前年より1500億元減少する。