中国甘粛省甘南チベット族自治州は甘粛、青海、四川の三省が隣接するところに位置し、黄河上流水源の重要な涵養域である。豊富で多様な風景や多彩な民俗風情にあふれ、中国全土から観光客が訪れる。しかし、人と家畜が共に暮らす従来の生産方式やゴミの溜め込み、ポイ捨てといった生活習慣が長く続いたため、大自然に恵まれた同地の美しい風景は、かつての魅力を失ってしまった。
同自治州は2015年から、都市・農村の総合的な環境ガバナンスを県・区の有能な人材に対する査定内容やグリッド化による管理システムに組み入れ、「観光エリアの全域にわたりゴミのないモデル区」を作り出すとともに、観光村として農村観光の発展に適すると思われる自然村を毎年60カ所選び、A級景勝区の標準に基づいてその発展推進に力を入れている。
さまざまな努力を経て、環境や家は美しくなり、観光客も絶えずやって来るようになった。生活方式の変化は生産方式のグレードアップを推進し、同自治州の人々の生活は、これまでの「放牧に依存した貧困脱却」から、現在の「観光に頼った小康(ややゆとりのある生活水準)の実現」へと変化している。(新華社記者/陳斌)