特別記念講演を行う日本の福田康夫元首相(新華社配信、復旦大学提供)
福田氏は「アジアの未来を考える」と題する特別記念講演で、次のように指摘した。流動化する世界は今、非常に重要な変化に突入した。今日の東アジアはすでに欧米と肩を並べ、世界経済の発展と社会秩序形成の上で重要な柱となっており、世界経済と世界秩序を牽引(けんいん)できる時代が始まっている。日中関係も「共創」の時代に入った。われわれは互いの長所と短所を認め合い、長所を取り入れ短所を補い合うべきだ。日中韓、ASEAN(東南アジア諸国連合)などのアジア諸国はウィンウィン、共創、融和に基づき、有無相通じ、共に協力し、より高い目標を実現しなければならない。
福田氏はまた、習近平主席の「人類運命共同体」構築構想は東アジアの安定にとって非常に重要な意義を持つ指針となるプロジェクトとの考えを示した。中国の「いかなる国の脅威にもならず、永遠に覇権を唱えず、拡張を図らず」という姿勢は、公平と正義を掲げる互恵協力による新型国際関係の構築に基づくものだと信じて疑わないと語った。
特別記念講演を行う中国外交部元副部長、元駐日大使の徐敦信氏(新華社配信、復旦大学提供)
徐敦信氏は特別記念講演で、中日平和友好条約締約の意義を4つにまとめた。(1)条約は「中日共同声明」が両国間の平和友好関係の基礎であり、声明で示された諸原則は厳格に遵守されなければならないことを確認している(2)条約の締結は今日にいたる両国関係の政治的総括であると同時に、未来へ向けた新たなスタートにもなっている。両国は過去を終わらせるだけでなく、世代にわたる友好の未来を共に切り開かなければならないことを意味している(3)中日双方は覇権追求しないことを約束し、いかなる覇権確立の試みにも反対している。これは厳粛な自己制約であるとともに、地域と世界の平和を保つためにも役立つ(4)両国はハイレベルの相互訪問の扉を開き、両国の互恵協力、共同発展に良好な環境を提供してきた。