新華社記者 張鐸 撮
李克強総理は現地時間の15日午後、ウランバートルで開かれた第11回アジア欧州会議(ASEM)首脳会合に出席し、講演を行いました。
講演の冒頭、李総理はフランスのニースで起きたテロ襲撃事件の犠牲者に哀悼の意を、そして、負傷者及び犠牲者の家族に見舞いの意を表し、「アジアとヨーロッパは、大きなチャンスに恵まれると共に課題も多い。特に、テロリズム、難民問題などが、この地域で厄介な問題になっている。今年はASEM設立20周年に当たる年で、各側は相互尊重、友好的な話し合いなどASEMの共通認識を基にアジア・ヨーロッパの全面的協力を推進し、協力のレベルアップを図る新しいルートを模索していくべきだ」と述べました。
これに関して、李総理は以下の3つの提案をしました。
1、 アジア・ヨーロッパ協力理念の革新。各方面が運命共同体であるという意識を樹立し、責任を共に担う意識の強化や、対話と協力で、この地域で新しい不安定要因の発生を防ぎ、世界平和と地域安定を維持する。団結協力の意識を深め、戦後の国際秩序を共に維持し、冷戦思考とゼロサムゲームを排除し、国際秩序と世界のガバナンス体系をより公正で合理的な方向へ推進していく。中国は終始世界平和の促進者、国際秩序と国際法治の維持者と地域の平和と安定の推進者である。われわれは国の大小、貧富、強弱を問わず、法律と規則を遵守することを堅持する。国際法を曲解したり、ダブルスタンダードを設けることに反対する。地域で合意した規則を守り、衝突や対抗ではなく、平和的に、政治的手段で係争を解決すべきである。平和発展の道を歩むことは、われわれの確固不動の方針である。
2、 アジア・ヨーロッパ協力の原動力を増す。アジア・ヨーロッパの協力をより実務的な方向へ導き、特に、経済貿易協力を強化すべきである。10年間、中断していたアジア・ヨーロッパ経済相会議の来年再開を期待する。開放的で包容力のあるアジア・ヨーロッパ市場の建設を加速し、貿易投資の自由化や利便性を高める。あらゆる形の保護貿易主義に反対し、共に気候変動に対応していく。科学技術によるイノベーション、新しい産業、新しい経済の発展を推進する。
3、 アジア・ヨーロッパ協力の人文基礎を固める。異なる文化間の対話を強化し、教育、科学技術、文化、観光、青年及び起業などの分野における交流を拡大する。
更に、李総理は当面の中国経済の情勢を紹介し、経済の下振れ圧力が続いていることを認めた上で、「政府の負債率が低く、住民の預金も比較的高く、マクロ調整の道具箱には選択肢が多いので、中国政府は改革開放を確固不動に推進し、構造改革、特に供給側改革を深く推進していく」決心を示しました。
なお、今回のASEM首脳会合のテーマは「アジア・ヨーロッパ、パートナー20年 コネクティビティーで未来を創る」で、モンゴル国のエルベグドルジ大統領が司会を務め、53のメンバー国の首脳と国際機関の代表が参加しています。
(写真は新華社より 文字は国際放送局より)
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