だが、ケリー長官ら各国要人が訪れた広島は、原爆が投下された1945年8月6日以降の広島の歴史、つまり日本の「第2次世界大戦による惨状」が映し出された、日本の「被害」都市という面が大きくクローズアップされた都市の顔に過ぎない。
凄まじい核爆発による被害を受けた広島市民の戦争や平和に対する思いは、他の誰よりも強いことは間違いない。だが、残念なことに、安倍政権の誕生以来、広島はだんだんと、「日本の広告塔」としての役割が増し、戦争という歴史を心から反省するための存在ではなくなった。