上映時間6分43秒の短編アニメーション映画「美しい森林(原題:美麗的森林)」の中で、宋徽宗の「芙蓉錦鶏図」、林椿の「果熟来禽図」など十数枚の宋代工筆画(東洋細密画)が「復活」した。その精巧で美しい画面や濃厚な中国色は、全米テレビ芸術科学アカデミーの専門家たちの心を打った。北京日報が伝えた。
この短編アニメ映画の原作は、中央美術学院でアニメーションを専攻する大学院生・楊春さんによる卒業制作品で、その後、心を込めた磨き上げと加工を経て、完成品として仕上がった。最初のシーンでは、ゆったりとした宋代の雰囲気が漂い、風がそよぎ木の葉が動き、鳥が翼を広げて空高く飛び、精妙で圧倒的な宋代古画がまるで命を吹き返したかのようだ。全米テレビ芸術科学アカデミー映画評論家のリック・ロフマン氏は、「これらの画面に大きく魅了された。オスカー候補として中国の短編アニメ映画を観ることができるのを、大変嬉しく思っている。監督の心意気は、尊敬に値する」とコメントした。
この映画に感動したのは、ロフマン氏だけではない。故宮の奥深くに眠っていた古代の画が息を吹き返して眼の前に現れた時、アカデミー賞アニメ部門選考委員会の審査員たちは軒並み、眼を丸くして、2回続けて鑑賞し、「このようなアニメを観たのは生まれて初めてだ」としきりに感嘆の声を上げた。
「どうやってこのような作品が完成したのだろうか」――審査員にとって、「美しい森林」は単なるアニメ映画ではなく、全く目新しい、東洋の細密花鳥絵巻だった。「アカデミー賞の審査員に2度連続して観てもらえることなど滅多にない。ほとんどの映画は、ただ数分間上映されて、それで終わりだ」――楊春さんはやや興奮気味に話した。
「美しい森林」は、米ロサンゼルス・ダウンタウンのアーティスト・コミュニティにあるLaemmleシアターにおいて、7日間連続で公開上映され、高い評判を得た。業界関係者は、同作品について、「新たな審美のエッセンスをアカデミー賞にもたらした」と称賛している。
今から来年1月まで、「美しい森林」は、他の多くの候補作との闘いに挑む。最終選考に残れば、中国アニメーション映画の監督が初めて、アカデミー賞授賞式のレッドカーペットに登場することになる。(編集KM)
(人民網日本語版)