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北京で輝く日本人パティシエ 森田峻亮さん
jp.xinhuanet.com | 発表時間 15:13:16 | | 編集: 呉寒氷

 日本のデパートなどではバレンタイン商戦で賑わう2月、森田さんのお店では一風変わった光景を目にすることができる。中国では世界の習慣に倣い、2月14日に男性が女性にバラの花などのプレゼントを贈るのが一般的なのだが、近年は日本や韓国の風習が影響してか、チョコレートを贈る若者も少なからず見るようになってきた。しかし、贈る側が男性という点では変わらない。そのため、「Booth's cake」に並べられる手作りチョコレートを買い求めにやってくるのは中国人男性ばかり。もちろんチョコレート食べたさに訪れる女性客もいるが、日本ではなかなか見れない面白い光景だろう。そんな女性思いの中国人男性客のために、森田さんは「女の子が喜びそうなチョコレート商品」を工夫するそうだ。

 日本では出来ない経験を挙げれば枚挙にいとまがない。異国の地で弟子を育てるという経験もまた、森田さんにとって初めてであり、決して易しい課題ではないようだ。「日本人なら『見て覚えろ』と言いたいところだが、うちに来る中国人スタッフは厳しいとすぐ辞めてしまい、店が回らなくなる。大切な仕込みはもちろん私がするが、覚えてほしいところは手取り足取り優しく指導する」という。しかし、優しすぎると面倒な作業で手を抜いてしまい、厳しさのさじ加減が難しいところ。「プロ意識を持て」が森田さんの厨房での口癖であり、彼らに対する「基本的要求」と中国で弟子を育てる難しさを語る。森田さんの下で修行して間もなく3年という中国人パティシエの斉延桂(チー・イェングイ)さんは、「師匠は私が5分かかることを1分でやってのける。真面目で、仕事に厳しく、材料の計量は1グラムの差も許さない」と、その言葉からは森田さんに対する尊敬の念が滲み出ていた。

 技術を伝える際に、言葉による補足は不可欠であり、その際に森田さんの中国語力に限界があることは否めない。そこでキーパーソンとなる頼もしいパートナーが、昨年結婚した唐燕(タン・イェン)さんだ。

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