米財務省のジェイコブ・ルー長官は今年3月、人民元は「より一層の自由化と改革を推進し、IMFの基準に適合する」必要があると述べた。この発言は、IMFで否決権を有する米国は現時点で人民元をSDR通貨バスケットに採用するのを支持しないというものだ。
一方で、米国の支持しない姿勢は、その古い盟友とその他の重要な経済体と抵触している。最近、ドイツ、英国、フランス、イタリアなどのG7の4カ国を代表とする一部の体系的な影響力を持つ経済体が人民元がSDR構成通貨(SDR通貨バスケット)になることを支持すると表明した。
人民元がSDR通貨バスケットの構成通貨になれば、中国とIMFにとって、ウィンウィンの局面が実現する。人民元をSDR通貨に採用することで、IMFの代表性と安定性が増強され、国際準備資産としての吸引力が高まる。
中国国務院の李克強総理は今年3月、IMFのラガルド専務理事と会見した際に、中国はSDRの参加を通じて、世界金融の安定を維持するための国際協力に積極的に参与するとともに、中国の資本市場と金融分野でさらなる開放を促進することを希望していると表明した。
ラガルド専務理事はこれに対し、中国の金融改革の成功は、その他の国家に手本を提供し、世界金融の安定を促進するためにプラスになると答えた。ラガルド専務理事はまた、IMFはSDRの審査事項について中国との疎通と協力を保つことを望んでいると述べた。
アナリストは、双方の姿勢から人民元のSDR通貨バスケット入りに関わる交渉は最終段階に入ったと判断され、細部の業務が残されているだけだと分析している。
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