【新華社北京4月10日】人民元が国際通貨基金(IMF)の特別引出権(SDR)通貨バスケットに採用されるのは、今年の「高確率」の出来事と言える。
アナリストは、年内に実現すれば、SDR通貨バスケットの代表性を拡大し、国際金融システムの安定性と公平性が増すことは疑いないと分析する。
IMFは今年5月から人民元をSDR通貨バスケットの5番目の通貨として加えるかどうかについて討論を行い、今秋に正式に評価を下す方針だ。
SDRはIMFが1969年に創設した国際準備資産だ。現在、SDRの価値は、米ドル、ユーロ、ポンドと円で構成される通貨バスケットの準備通貨で決定される。構成比率は米ドルが41.9%、ユーロが37.4%、ポンドが11.3%、円が9.4%となっている。
4種類の通貨のうち、量的金融緩和政策(QE)を打ち切った米ドルは、再び金利の引き上げによって、新興市場が低迷すると予想される。ユーロは1兆を超える規模の欧州版QEの登場によって、下落が見込まれる。円は継続的に大幅な円安となっている。
世界的な金融危機以降、世界の金融市場は激しく変動し続けているが、人民元は相対的に安定を維持している。1997年のアジア金融危機当時に、危機の余波を受けて人民元を切り下げないことを承諾し、「安定器」の役割を果たしてきた。
中国のシンクタンク・安邦コンサルティングが発表した報告書は次のように指摘している。SDRの現行分配メカニズムは合理的ではなく、先進国が占める割合が発展途上国を大幅に上回っている。且つ米ドルの構成比率が高いことが新興市場諸国と発展途上国の代表性と発言権が足りなくなった原因となっており、SDR分配の均衡性に影響を及ぼしている。
人民元は世界第2位の貿易融資通貨で、第5位の決済通貨となっており、多数の国と地域の通貨管理当局が人民元を準備通貨とみなしている。人民元の使用はオフショア市場で日増しに活発化し、米ドル、ユーロなどのその他の通貨との差も縮小している。