団長の鎌倉孝夫さん(村山首相談話の会・共同代表、埼玉大学名誉教授)は、「村山談話は、戦後、日本の歴代政府の基本的な考え方が集約されている。安倍内閣の下でそれを継承すると言葉で言いながら、内容的に継承しないような方向に行きかねない。これを阻止したい」と思いを語りました。
去年11月、中国の習近平国家主席と日本の安倍晋三首相は2年半ぶりに握手しました。2012年秋から膠着状態が続いてきた中日関係はその勢いに乗って、本格的な改善に向けて動き出すことができるか、夏に発表予定の安倍首相談話がその方向に大きな影響を及ぼすと見られています。これについて、訪問団の浅井基文副団長は、「去年中日間で達成した4点の合意の精神と原則が試され、日中関係は前進か後退の境目に立つだろう」という見方を示しています。
一方、国際関係では、第二次世界大戦終了から70年の2015年は、10月に国連改革も予定されています。中日関係の行く末は、これからの世界情勢の変化にも通じる動きだと見られています。中日両国は、この節目の年を乗り越える上で、何が大切なのか。代表団秘書長の藤田高景さんは、「安倍首相が過去の歴史を忘れずに、過去の侵略と植民地支配にしっかりと反省してお詫びするという、村山談話の最も大切な部分を引き継ぐことこそ、日本と中国、日本とアジアの友好と和解を作っていく第一歩だ」と強調しています。