【新華社北京2月5日】中央銀行は約3年ぶりに、再び全面的な預金準備率引き下げを行う。中国人民銀行のウェブサイトは4日夕方、5日から金融機関の人民元預金準備率を0.5ポイント引き下げると発表した。また一定の方向への預金準備率引き下げ条件に適合する都市商業銀行、非県域農村商業銀行については、規定外にさらに0.5ポイントを引き下げる。市場に詳しい関係者は、中央銀行が今回の預金準備率引き下げは、強度と発表時期の早さのいずれにおいても市場予測をはるかに超えていると分析する。
清華大学経営学院の李稲葵教授は、記者の取材を受けた際に、次のように説明した。中央銀行の今回の預金準備率引き下げは、強度が一般的な予測を上回り、発表の時期が早かった。主な原因は、ここ数年中国の実質的な貸付金利は依然として上昇しており、資金面が全体的に緊迫する一方で、PMIなどの重要経済指標が低下していることだ。このため、中央銀行の預金準備率引き下げは、事前調整に属し、経済情勢に著しい問題が生じる前に講じた予見性と予防性のある措置と言える。
招商証券のマクロ経済アナリストを務める謝亜軒氏は、次のように述べた。今回中央銀行の預金準備率引き下げによって、6,000億元から7,000億元の流動性が生じる見込みだ。主な目的は、経済成長を安定させ、経済停滞の重圧を緩和し、基本通貨の不足額を補充することだ。中央銀行の統計によると、2014年12月末時点の人民元預金残高は113兆8,600億元に上り、前年同期比で9.1%増加している。
李稲葵教授は、次のような見解を示した。中国の金融機関は平均規模が比較的大きく、中小企業は相応の地位と発言権を持たないことから、低金利の融資を獲得することが難しい。一定の方向への預金準備率引き下げは、一定の緩和作用があるが、この問題を真に解決するには、その他の改革と総合的に推進する必要がある。
将来について、中央銀行は、継続的に穏健な通貨政策を実施し、緩和と引き締めを適度に保持し、通貨の信用貸付及び社会融資規模の安定した適度な成長を誘導していくと表明した。
謝亜軒氏は、次のように表明した。中国の外貨買取専用資金は、低速成長段階に入った。さらに最近は人民元対米ドル為替レートの低下もあって、今後にかけて米ドルが引き続き優位性を保つならば、外貨買取専用資金はマイナス成長になる可能性があり、インフレーションを抑制する水準に達する。このため、中央銀行が通貨政策を緩和する空間と必要性も増大する。今後の通貨政策は尚、操作の余地がある。
(新華網日本語)
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