目撃者が話す人物像の似顔絵を描いて、警察が容疑者を追跡するという従来のやり方は、遺伝子研究の発展にともない、遠くない将来淘汰されていくだろう。英国メディアは18日、最新のDNA鑑定技術を使用すれば、警察は犯罪現場に残されたわずかな血痕からも容疑者の身体的特徴が特定できるようになると報道した。これは、犯罪事件の容疑者を絞り込む上で、大変大きな意義を持つ。北京晩報が伝えた。
■「DNAモンタージュ」による検挙率は85%
英国のキングス・カレッジ・ロンドン法医遺伝学専門家のデニス氏は、新しい技術を使用すれば、犯行現場で目撃者がいない場合でも、警察が現場から採取したDNA情報から容疑者の形状的な特徴、たとえば黒人か白人かや目、頭髪の色などが特定できるという。
これまで、遺伝子研究が犯罪捜査の分野で活用できる範囲は限られていた。警察は犯行現場で採取したDNAサンプルを持ち帰り、データバンクの犯罪記録などと照らし合わせるしかなかった。しかし、現在の技術革新によって、「DNAモンタージュ」が可能になった。過去1年間に、キングス・カレッジ・ロンドンとロンドン警察はすでに一部の刑事事件で協力しており、DNAサンプル鑑定による容疑者の生物学特徴を通した検挙率は85%に達している。
■個人のプライバシーが暴かれる危険性は?
現在、研究者は遺伝子研究のスピードを加速させている。今後2年間でDNA鑑定技術をさらに改良して精度を高め、費用をより抑えていきたいと考えている。
研究者は、「我々は、視覚化できる身体的特徴を研究しているだけで、例えば、ある病気にかかったら、将来老年性痴呆症にかかる可能性がどのぐらいといったような、個人のプライバシーに関わらない」と語る。
(人民網日本語版)
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