中日関係の複雑性と日本の国際化の挫折という参考的な意義により、「アベノミクス」と「アベノポリティクス」が常に中国国内の専門家によって熱く議論されている。方明氏、李亜芬氏、袁躍東氏、伍偉燁氏の4人の専門家の共著『安倍政治経済学――世界主義へのギャップ』は、国際的な視野に立ち日本問題を俯瞰し、新たな考えを提供することを試みた。
北京大学経済学部の方明氏は取材に応じた際に、「大量の紙幣・国債発行により、国の借金がGDPの250%に膨れ上がった。アベノミクスは日本を20年間のデフレと停滞から脱却させなかったばかりか、未来の財政危機と金融危機を引き起こす災いの根を残した。災いに向かいつつある日本経済は、恐らくスタグフレーションに陥るだろう」と予想した。
方氏は取材の中で、日本が現在次の5つの現実的な問題に直面していると指摘した。(1)少子高齢化による人口問題(2)過度な円安による円の国際化の問題(3)ポンジ・スキームにおける財政問題(4)バブル破裂による金融システムの問題(5)産官融合が影を落とす産業構造の問題。
また安倍政権の軍事・安保政策は右翼的かつ過激で、誤った歴史観が幅を利かせている。安倍首相は再任以来、さまざまな新しい手段により国会を操作し、憲法を揺るがそうとしている。しかし束縛からの早期脱却を目指す安倍首相にとって、「厄介者」は少なくない。
経済問題の他に、日本は世界でも困難な局面を迎えている。方氏は、「アベノミクスは日本の国際化における経済的な苦境を改善せず、アベノポリティクスは日本の国際化における政治的な苦境を改善しないばかりか悪化させた」と指摘した。方氏はアベノポリティクス アベノミクスの理念を、「不治の病の患者に間違った薬を飲ませる」と比喩した。
本書は世界主義的な高みに立ち、次のような未来を予想した。
中国を含む新興経済体が台頭を続け、世界構造が新たな段階を迎える。これは世界構造のリバランス・再融合の段階だ。国際化に挫折し停滞している日本が独断専行を続け、ユーラシア大陸との協力と発展を放棄し、隣国を敵視するならば、日本は米国の「離島」に落ちぶれる運命をたどることになる。
方氏は本書執筆の意義について、「人々に戦後の狭いナショナリズムの枠組みから離れ、世界主義の視野に立ち、より多くの対話のルートを構築するよう呼びかける。グローバル化の過程においてバランスを良く保つことで、人類の共同発展という目的を達成する」と語った。
(チャイナネット)
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