梁軍さんの面塑作品「明清時期南北大官道実景図」。明清時代に繁栄した南北を結ぶ大官道「嶧滕(えきとう)古道」の光景をミニチュアで再現した。(資料写真、済南=新華社配信)
【新華社済南11月20日】中国山東省滕州(とうしゅう)市に、小麦粉などで作った生地をさまざまな形にする「面塑」(練り粉人形)のオリジナリティーあふれる作品を発信し、海外にもファンのいるアーティストがいる。滕州面塑の無形文化遺産伝承者、梁軍(りょう・ぐん)さん。アトリエには、従来の手芸品の枠を破った精緻な作品が並ぶ。
梁さんによると、滕州面塑の伝統的な原料は小麦粉と砂糖、顔料に防腐剤の蜂蜜だけで、手のひらほどの大きさの作品しか作れなかった。幼い頃から身近な人に面塑の技術を学んだ梁さんは、さまざまな芸術様式に触れた後、伝統的な手法への新しい材料や現代的なコンセプトの導入を試みるようになった。
梁軍さんが創作した「四大天王」シリーズの作品。(資料写真、済南=新華社配信)
超軽量粘土や防腐素材などを取り入れることで、作品をより軽く丈夫にした。針金や木の棒で作品の骨組みを作り、サイズの制約を打ち破った。キャラクターの造形でも、アニメや漫画のデザインや色使いを参考にし、より変化に富んだ姿や生き生きした表情を表現できるようになった。
2022年には、明代の神怪小説「封神演義」に登場する「魔家四将」をモデルにした一連の作品「四大天王」を海外のフェアに出展。現地のアート界や観客から好評を博した。「作品が小麦粉でできていると知ると、海外の観客は皆、信じられないという表情を浮かべた。中国の面塑が多くの海外ファンを獲得でき、誇らしく思っている」と梁さんは話した。(記者/叢佳鑫)
梁軍さんが創作した「四大天王」シリーズの作品。(資料写真、済南=新華社配信)
梁軍さんが創作した「四大天王」シリーズの作品。(資料写真、済南=新華社配信)
梁軍さんが創作した「四大天王」シリーズの作品。(資料写真、済南=新華社配信)
梁軍さんが創作した「世界食料デー」シリーズの作品。(資料写真、済南=新華社配信)
梁軍さんが創作した「世界食料デー」シリーズの作品。(資料写真、済南=新華社配信)