中国の都市部で静かな流行、「秋を拾う」野外活動

中国の都市部で静かな流行、「秋を拾う」野外活動

新華社 | 2024-11-04 16:44:20

内モンゴル自治区フフホト市玉泉区の石東路小学校で木の葉を使った絵画作品を見せる児童たち。(10月30日撮影、フフホト=新華社配信)

  【新華社北京11月4日】中国のインターネット上では秋が深まるにつれて、「秋を拾う」という言葉が静かに流行し、都市部の新たな野外活動として広まりつつある。

  「秋拾い」は本来、農家が毎年秋の収穫後に畑に残ったゴマや穀物の実を無駄にしないよう拾い集めることを指すが、現在では、秋に野外に出かけて季節の花や果物を採集することをいう場合が多い。全国各地の植物園や公園はどこも「秋を拾い」の人気スポットになっている。

中国のSNSアプリ「小紅書(RED)」に投稿された「秋拾い」の成果。(資料写真、北京=新華社配信)

  上海市のあるネットユーザーは、同市松江区の辰山植物園を散策しながら、モクゲンジ、タイサンボクの実、ドングリ、コノテガシワの葉など、さまざまな植物を拾い集めて持ち帰ったと、「秋拾い」体験を投稿した。一番のお気に入りはさまざまなコナラ属のドングリで、大好きなアニメ映画の一つ、宮崎駿監督の「となりのトトロ」を思い出すという。この投稿主は帰宅後、集めた実や葉を冷凍して虫を駆除し、風で乾燥させて保存し、これらの植物を「秋を味わう一皿」と表現。果実を拾うのも自然観察の一つの方法と捉えているという。

  多くの手先が器用なネットユーザーたちは、拾った落ち葉や枯れ枝、木の実などを手作りの作品に仕立てている。浙江省のネットユーザーの一人は、自分の「秋拾い」の成果を投稿。集めたヤナギの枝やサルスベリの実、ギンナン、モクゲンジの実、ミニカボチャなどで作った風鈴を窓辺につり下げた写真が多くの「いいね」を獲得した。また、時の移り変わりを見つめてきた枯れ枝を自然の息吹漂う絵画に変えたネットユーザーもいる。さまざまな形で「新たな生命」を与えられた枝は、装飾品として巧みにアレンジされ、部屋に趣を添えている。

  なぜ「秋拾い」は人気を呼んでいるのだろうか。ある人は「秋拾い」を「働く人の心のマッサージ」と呼ぶ。自然の中で身をかがめ、選び、拾い集めることを繰り返すうちに、頭を空っぽにして身も心もリラックスできる。「秋拾い」は遠出する必要もなく、秋の日の美しさを楽しみながら拾い集めるプロセス自体が、偶然の出会いを楽しむ「ブラインドボックス」にも似たうれしい驚きに満ちている。「秋拾い」の成果を使って手作りするのも、一種の没入型の癒しと言える。作品を家族や友達とシェアしたり、ソーシャルメディアに投稿することで、また新たな満足感を得られる。(記者/楊珏)

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