AIに基づく中国伝統医学と西洋医学による新たな腫瘍予防・治療法AI-TWMの説明図。(北京=新華社配信)
【新華社北京11月15日】中国の清華大学テニュア教授で北京市中医薬学際研究所所長、ヨーロッパ科学芸術アカデミー会員の李梢(り・そう)氏率いるチームは、20年以上の研究を経て初の人工知能(AI)に基づく中国伝統医学と西洋医学を用いた新たな腫瘍予防・治療法AI-TWMを編み出し、胃がんの早期予防と治療で良好な実証および応用結果を得た。
腫瘍の予防・治療方法論におけるこの重要な成果は、腫瘍の早期予防・治療の研究と伝統医学研究に新たな視点を提供し、このほど米国がん学会(AACR)の査読付き医学雑誌「Cancer Discovery」に掲載された。
AI-TWMは、生物学的ネットワークのAIアルゴリズムに基づいており、腫瘍発生リスクに関連する中国伝統医学と西洋医学のマクロモーダルな特徴を系統的に発掘し、両医学の特徴を備えた腫瘍リスクのスマート早期警戒モデルを構築することで、腫瘍発生リスクの高い人々の正確な識別を実現する。また、ネットワーク薬理学による解析手法を通じて、腫瘍の発生と介入メカニズムの分子ネットワークを体系的に識別し、このネットワークを標的として、中薬(中国の伝統薬剤)、特に「薬食同源」(薬と食の源は同じ)の考えに基づいて服用される中薬の中から、腫瘍の発生を抑制できる薬剤を発掘し、腫瘍の予防・治療に有効な中薬を正確に特定する。
チームはまた、「中国伝統医学・西洋医学による胃がん超早期スマート精密予防・治療システム」を構築し、胃炎の胃がん転化について両医学の50万件以上の臨床データを収集、分析し、胃がんリスクの早期警戒と「超早期胃がん細胞」に関する両医学の特徴を発見し、さらに臨床試験による検証を経て、胃炎から胃がんへの転化を効果的に遮断できる薬食同源の中薬を見つけ出した。現在、このシステムは胃がん発生率が高い中国多くの地域と50以上の病院に普及し、応用されており、国の慢性疾患総合予防・治療実証区の建設を支援し、腫瘍の予防治療を可能にしている。(記者/魏夢佳)