中米両国による第1段階の経済貿易協定の調印式が15日、米ワシントンで行われ、その後、劉鶴(りゅう・かく)中国共産党中央政治局委員・国務院副総理・中米全面経済対話中国側首席代表は中国の一部メディアに調印の関連状況を説明し、記者の質問に答えた。(ワシントン=新華社記者/李木子)
【新華社ワシントン1月16日】中米両国による第1段階の経済貿易協定の調印式が15日、米ワシントンで行われ、その後、劉鶴(りゅう・かく)中国共産党中央政治局委員・国務院副総理・中米全面経済対話中国側首席代表は中国の一部メディアに調印の関連状況を説明し、記者の質問に答えた。
劉鶴氏は次のように述べた。中米両国は15日正午、中米第1段階の経済貿易協定に正式に調印した。これは予想を安定させ、繁栄を促すことができる協定で、世界の生産者、消費者、投資家の利益にかなう。これは経済協定であるというだけではなく、世界の平和と繁栄にも関わる。
協定調印後、中国は米国と共に努力し、平等と相互尊重の原則を堅持するとともに、協定の取り決めを順守し、協定の関連する内容の着実な実行に努める。
劉鶴氏は記者会見で、中米経済貿易協定の内容について次のように説明した。中米双方は平等と相互尊重の原則を踏まえ、第1段階の経済貿易協定に調印した。この協定は双方の関心事を相当程度解決し、互恵・ウィンウィンを実現した。主に①貿易分野での双方向の協力を深め、双方の農産物、製品、エネルギー、サービス業などの分野での貿易規模を拡大する②金融分野の双方向の開放拡大や両国企業へのより多くの市場機会提供など、市場参入基準をさらに緩和する③ビジネス環境を持続的に最適化し、双方が知的財産権の保護を強化し、自由意志と市場条件に基づく技術協力などを奨励する-の三つの面で示された。
劉鶴氏は、現在の中国経済の情勢や長期的な成長見通しなどについて、次のように述べた。中国経済は現在、全体的に安定している。2019年の経済成長率は6%を超え、世界の主要経済国の中でも上位に立つ見通しだ。中国現在の経済総量は100兆元(1元=約16円)近くに達し、年間で約1兆ドル(1ドル=約110円)拡大しており、中等国の経済規模に相当する。就業や物価、国際収支などの主要マクロ指標はいずれも合理的な範囲にあり、構造転換や高度化、構造調整が着実に進められている。
中国は今年、小康(ややゆとりのある)社会の全面完成と第13次5カ年規画(2016~20年)の順調な達成を実現させる。1月の一部の高頻度データも、中国経済が予想以上に好調であることを示している。中国経済は現在、リバランスを実現しつつあり、内需、特に消費需要や、イノベーションと労働生産性による駆動の向上への依存度が一段と強まっている。また、経済成長の債務への依存度が下がり、経済成長の内生的原動力が着実に高まっている。中国経済は更に良くなるだろう。中国は引き続き自らの安定した発展を通じてグローバル経済に貢献していく。
劉鶴氏は、当面の中国の改革開放における重点と、協定と中国の開放拡大の継続との関係についての質問に対して、次のように述べた。経済体制改革の観点から言えば、改革とは社会主義制度を堅持する前提の下で、市場が資源配置について決定的な役割を十分に果たすようにし、政府の役割をよりよく果たすようにすることである。第一に、市場ミクロ主体の活力をより重視し、国有企業の改革を深化させ、民営経済の発展を促進する。第二に、市場ルールを強化し、公正な競争を促進する。第三に、政府の機能をさらに転換する。第四に、社会分野の改革を推進し、中国の国情に合った社会保障システムの整備を堅持する。
対外開放は中国の基本的国策であり、われわれは主に次のような四つの措置を取ることで開放を拡大する。第一に、市場参入を秩序立てて拡大する。第二に、国際的に優れた方法を指標としてビジネス環境を改善し、外資企業が公平に競争に参加でき、知的財産権が効果的に保護されるようにする。第三に、中国の経常収支は全面的に開放されており、われわれはリスク防止を重視するという前提の下、資本勘定の開放を安定的に秩序立てて推進し、人民元の地域化、国際化を推進する。第四に、国際的な貿易ルールづくりに積極的に参与し、発展途上国や新興市場国と緊密に協力し、世界経済秩序がより公正で合理的な方向へ発展するよう推進する。
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