22日、記者会見で脅迫の証拠を示す香港特別行政区政府警務処サイバーセキュリティー・科学技術犯罪事件調査科の莫俊傑(Swalikh Mohammed)警司。(香港=新華社記者/盧漢欣)
【新華社香港8月24日】中国香港警察は22日、6月からこれまでに警察官と家族1614人の個人情報が何者かによって系統的かつ違法な手段でインターネット上に流出し、個人情報が流出した多くの人が程度の異なる嫌がらせや脅迫を受けたと明らかにした。
香港特別行政区政府警務処のサイバーセキュリティー・科学技術犯罪事件調査科の莫俊傑(Swalikh Mohammed)警司は同日の記者会見で、氏名、身分証番号、生年月日、電話番号、住所、写真などを含む個人情報が、同意なしにSNSで広く公開されたと発表した。中には警察官の子どもの写真、通っている学校、クラス情報まで及ぶものもあるという。
莫氏によると、個人情報が流出した警察官と家族の多くの元には、電話やメッセージで嫌がらせを受けたり、「殺されろ」との脅迫メールが届いたりしたほか、個人情報が虚偽の融資やネットショッピングなどに使われたケースもあった。警察官の官舎の壁に「災いは必ず妻子に及ぶ」などといった文字を書き込んだり、警察官の家にレンガを投げつけたりするなどの破壊行為をした者もいるという。
莫氏は一部のネット上での討論が現実世界の暴力行為へと変化してきているとして憂慮を表明。SNS上でも、文章と写真で爆弾の作り方や使い方を子細に教えたり、スリングショットやナパーム弾などの攻撃的な武器で警察署を破壊、警察官を傷つけたりするなどの犯罪をあおるなど過激で極端な言論が見られると語った。警察は最近、実際にさまざまな行動でスリングショットや爆発物、刀などの関連する武器を押収しているという。
莫氏は、これらの過激な言論や行為、特に子どもに対するものは、文明社会の基準をはるかに超えていると強調。香港の法令はネット上の違法行為にも同様に適用されるため、警察は必ずこのような事件を詳しく捜査すると述べた。6月以降、違法な情報流出、コンピューターシステムへの違法侵入による情報取得などの犯罪の疑いで16人を逮捕したという。(記者/張雅詩、白瑜)