新華網北京3月7日(記者/斉中熙、于佳欣、潘潔) 中国人民政治協商会議(政協)第12期全国委員会第5回会議で6日、「政協委員が経済の安定した健全な発展の促進について語る」を主題に記者会見が開かれ、5人の全国政協委員がそれぞれ経済情勢、「三去一降一補」(過剰生産能力・不動産在庫・レバレッジの削減、コストの引き下げ、脆弱産業分野の支援)の深層からの推進、農業における供給側の構造改革、実体経済の活性化、金融リスク防止などのホットトピックについて、記者の質問に答えた。
厲以寧委員:エネルギーを結集し、より良い結果を目指す
今年の経済成長について回答した際に、北京大学光華管理学院、名誉院長の厲以寧委員は、2017年の中国経済の先行きは明るいとみなしている。厲以寧委員は政府活動報告の経済成長に関する2つの内容が注目され、一つはGDP成長率6.5%前後で、もう一つは実際の業務においてより良い結果を目指すことだと指摘した。
厲以寧委員はまた、次のように述べた。経済で最も重要な問題は効率であり、次の2つの基本が含まれる。第一に、物質的技術基盤で、工場、設備、原材料、労働力の質など。第二は、道徳的基盤で、主に人々の共感と凝集力に関連する。例えば、人々の共感があることは、巨大なエネルギーになる。エネルギーを凝集させる限り、全国の上層から下層までが党の第19回全国代表大会(第19回党大会)を順調に開催するために貢献し、今年の経済はより多くの成果が生まれると見られる。
楊凱生委員:金融の安定に十分に自信を持つ必要がある
「私は金融リスク防止について、2つの点を挙げる。第一に、いい加減なやり方ではいけなく、より重要な位置に置かなければならない。第二に、金融の安定に十分に自信を持つ必要がある。」中国工商銀行元総裁の楊凱生委員はこう語る。
楊凱生委員は、次のように強調した。中国は現在、金融リスクを完全にコントロールできる。銀行の不良債権比率の例では、2016年末に中国の商業銀行の不良債権比率は1.74%で、不良債権額はわずか1兆5千億元余りで、昨年の四半期において最低水準になり、不良債権の増加額はこの3年間で最も少なかった。昨年の商業銀行の年次報告書で公表されていないが、各商業銀行の利潤総額は2兆元を超えた。さらに、十数兆元以上の資本金を加えると、銀行業が現在の不良債権の損失、又はわずかに表れている不良債権の潜在的損失を消化する能力は十分にあると言える。「いい加減なやり方ではいけないが、十分に自信を持つ必要がある。」
常振明委員:供給側の構造改革で企業にとって最も重要なことはイノベーション
「供給側の構造改革で企業にとって最も重要なことはイノベーションであり、科学技術手段を用いて不足を補うことだ。」中信グループ有限公司の董事長で、常振明委員はこのように述べた。
常振明委員は次のように説明した。供給側の構造改革の基本的定義は旧型生産能力の削減以外に、新しい供給の増加が求められ、これらの新しい供給によって新しいニーズを増加することだ。新旧型の供給を区別する一つの基準は科学技術力だ。科学技術力は他者にないものを自身が備えており、複数の人が持っているものでは、自身の性能対価格比の競争力がより高いことだ。イノベーションに依存してはじめて、品質を高めることができる。
陳錫文委員:農業における供給側の構造改革は、農業の総合的効果と競争力の向上を趣旨としている
中央農村工作指導グループの元サブリーダー兼弁公室主任の陳錫文委員は、農業における供給側の構造改革の主要目的は、中国の農業の総合的効果を全体的に引き上げ、農産品の国際競争力を高めることだと述べた。
銭穎一委員:人口のボーナスから人材のボーナスまで教育に頼らねばならない
いかに人口のボーナスから人材のボーナスへの転換を加速し、供給側構造改革を推進させるかに対し、清華大学経済管理学院院長の銭穎一委員は、「人材のボーナスには2つの方面に力を注いでいく必要がある。優れた革新型人材を育成し、人の創造性を大いに高める必要がある一方で、既存の基礎的な条件のもと、各タイプの技能型人材を大量に育成しなければならない。」と述べている。
銭穎一委員は、「人口のボーナスから人材のボーナスへの転換は必然的なことで、また一種のチャンスでもある。経済発展の新常態(ニュー ノーマル)において、供給側の主要な推進力は人材のボーナスを絶えず放出し続けることが可能な点にある。『第13次五カ年』規画が人材開発戦略について特に伝え、人材開発の全体的な枠組みを確立していたことには、深い背景がある。」と述べた。
(新華社より)
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