今年も卒業・就職シーズンが近づいてきた。新卒生は、どんなチャンスも決して逃がすまいと、自分の「見栄え」を最高にするための努力に余念がない。だが、7日に某大学で開催されたキャンパス企業説明会において、某外資系企業の新卒学生採用担当者は、しきりに頭を振りながら、「この履歴書は、あまりに現実離れしている。顔写真と実物がまるで別人だ」とこぼした。
〇履歴書顔写真の7割、「実物とはまるで別人」
フィリピンの某飲食グループ企業で新卒学生採用を担当する穆氏は、ある応募者の履歴書を受け取る際に、「応募者本人が履歴書を持参しなければなりませんよ」と、持参者から受け取ることを遠回しに拒絶しようとした。ところが、履歴書を持参したその女性は、ややバツが悪そうな感じで、眼鏡の縁を持ち上げながら、「私が本人です」と頬を紅潮させて答えた。その女性のとまどった表情に、今度は穆氏の方が驚き、慌てて履歴書を受け取り、「あ、大変失礼しました。見間違えたようです」と非常に恐縮しながら語った。7日午前9時からハルビン市内の某大学で始まったキャンパス企業説明会で、フィリピンの某飲食グループのブースには大勢の求職者が詰めかけ、押し合いへし合い状態だった。
「わずか1時間も経たないうちに、100通以上の履歴書を受け取った」-熱狂的な会場の雰囲気に、穆氏は嬉しさを隠せない様子だ。氏の後ろにあるパネルには、「容貌の素晴らしい応募者を優先します」とはっきりと表示されていた。
だが、分厚い履歴書の束の中には、十分に素晴らしい顔写真が貼られているものが数多くあったが、ブースのテーブルで「実物」と向き合うと、穆氏は極めて大きな失望とバツの悪さに襲われることになった。
穆氏は次の通り打ち明けた。
新卒採用業務がスタートした後、手にした履歴書の顔写真が抜きんでていると、とりわけ印象に残った。だが、実物を見ると大きな失望感に襲われる。顔写真とあまりにもかけ離れているからだ。たとえば、写真では、透き通るような肌の持ち主でスマートに写っているのに、実物は、顔中アバタだらけで太っている、といった具合だ。そのようなケースにも徐々に慣れてきて、履歴書の写真は、よく見ていながら見ないフリをしている。ざっと数えると、この日、全部で500通を上回る履歴書を受け取ったが、うち少なくとも370通以上の写真が、過度に美化されており、特に、実物とあまりにもかけ離れた極端な写真が約50枚あった。このような就活学生は、逆に、我々企業サイドにマイナスイメージをもたらしてしまう。