中国社会科学院日本研究所の呂耀東研究員(撮影/新華網 薛天依)
【新華社北京5月5日】今年は中国人民抗日戦争並びに世界反ファシズム戦争勝利70周年にあたる。第二次世界大戦の加害国である日本にとって、今年は日本が歴史を正視し、歴史を反省するチャンスだ。しかし安倍政権や日本右翼の一連の「小さな動き」は歴史の流れに逆らって動くシグナルを放出し、歴史正義と人類の良知に公然と挑戦している。安倍政権による歴史問題での「逆行」にはどんな原因や意図があるのか。安倍晋三首相が今年の夏に発表予定の戦後70周年談話に対する日本国内の民意はいかなるものか。近ごろ、新華社記者がこれらの問題について中国社会科学院日本研究所の研究員、外交研究室の呂耀東主任を取材した。
呂耀東研究員は安倍首相が歴史認識問題で「逆行」するのは、主に次の2つの要因があると分析している。第一に、安倍首相本人に誤った歴史観がある。安倍首相の母方の祖父、岸信介氏は偽満州国工業部部長で、日本の軍需省副大臣を務めていたが、法の網の目から逃れた第二次世界大戦のA級戦犯だった。岸信介氏の歴史観は安倍首相に大きな影響を及ぼしている。安倍氏は日本の首相に就任後、安倍首相個人の歴史修正主義は日本の国家行為に転化し始めている。第二に、日本社会に右寄りの思想が存在する。日本の政界、経済界及び学術界に存在する一部の社会エネルギーが「自由史観」と「皇国史観」を支持しており、歴史に定説がなく、日本が侵略国であるかどうかは学術界の専門家によって討論すべきだと主張している。
「村山談話」と「河野談話」は、日本の戦後の侵略戦争への反省の根底を構成し、日本の歴代内閣の歴史認識の試金石となっている。呂耀東研究員は次のように受け止めている。安倍首相の歴史問題における曖昧な表現と一連の小さな動きは事実上、今年の夏に発表する戦後70周年談話の 「試み」である。安倍首相がいわゆる戦後70周年「談話」を発表する目的は、この節目において、日本の侵略の歴史に対する反省を表明し、日本がアジアの隣国から受け入れられ、国際社会に復帰することではなく、日本の侵略の歴史を否定し、早期から定説となっている侵略の事実を白紙に戻し、判決を覆すことを意図している。 (記者/薛天依·陳辰)
(新華網日本語)
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