【新華社上海4月27日】ここ数年、中国企業がクロスボーダーの合併・買収(M&A)の舞台で急成長している。2014年に中国の対外投資が初めて1000億ドルの大台を突破してから、今年の第1四半期の対外投資は規模としても、範囲としても新たな階段へ進んでいる。最新のデータによると、今年の第1四半期に中国の全業界の対外直接投資額はすでに273億ドルに達し、前年同期比20.4%増となった。そのうち金融類は15億3000万ドルで、わずかに低下したが、非金融類は257億9000万ドルで、前年同期比29.6%増となった。
商務部中国国際経済協力学会の崔明謨会長は「2015中国(上海)国際投資商談会」で、次のように表明している。安定の中で成長する経済は中国企業の「海外進出」に堅固な基礎を提供した。そして、中国の経済構造の調整や転換、アップグレードは新たな進展を遂げており、このような調整やアップグレードは、多くの伝統的な優位性をもつ生産能力の「海外進出」にチャンスを提供している。これと同時に、「一带一路(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)」戦略が中国の対外投資により広大な世界を切り開いた。
過ぎ去ったばかりの一年に、上海緑地集団が韓国、米国、タイ、オーストラリア、スペインおよび英国といった国々の不動産市場へ進出し、345億ドルの海外投資を最終的に決定した。上海錦江股份有限公司は13億ユーロでルーヴルグループを買収し、今年にはフランス・パリで関連の業務を完成させるという。また、光明、伊利、蒙牛などの乳業大手の多国籍企業もニュージーランド、オーストラリアでの事業に次々と着手し、食品業界のクロスボーダーの合併・買収の風潮を巻き起こしている。
上海光明食品集団の葛俊傑副総裁は、現在グローバルな資金調達のコストは確かに比較的低く、その見積もりも比較的理にかなっており、海外で合併・買収を行うには確かにとてもよいタイミングだとの見解を示している。
注目すべきことは、10年前の中国企業による海外での合弁・買収は石油、石炭、金属、鉱物、金属加工といった業界に集中しており、主に資源獲得の実現のためだった。しかし今では、しだいに多くの企業が海外へ進出するのは、拡大とブランドの獲得のためであり、この傾向は民間企業でより顕著となっていることだ。
世界経済の低迷期において、中国企業のクロスボーダー合併・買収の舞台における急成長は、自国の経済に対しても世界経済に対しても、いずれも相互に補い合い発展するという役割をもつ。中国が世界の大国から世界の経済強国へ転換するには、必ず競争力があるいくつかの多国籍企業をもたなければならない。そして、中国企業の国際化は、今後の世界経済の一体化のための主要な力となるだろう。
(新華網日本語)
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