「アジア太平洋へのリバランス」は偽りの命題

Jp.xinhuanet.com | 発表時間 2015-04-17 16:52:52 | 編集: 王珊寧
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 【新華社北京4月17日】米のアシュトン・カーター新国防長官は先ごろ、初のアジア訪問を終え、米国の「アジア太平洋へのリバランス」の新段階という「大胆発言」を言い出した。米国のオバマ大統領が南米諸国を訪問中に、空間を隔てたアジア太平洋への「関心」を示した。

  新段階はどこが「新しい」のか。カーター新国務長官は、軍事、外交及び経済の3つの側面からだと答えた。即ち、軍事のアップグレード、同盟拡大及び太平洋を跨ぐ戦略的経済連携協定(TPP)交渉の加速だ。

  本質から見ると、「新段階」論などを含む一連の概念は、実は根本的に偽りの命題だと言える。「リバランス」を提起するのは、アンバランスだからこそ、「リバランス」する必要があるのだが、アジア太平洋地域は実際に不均衡なのだろうか。

  安全保障について、第二次世界大戦以降、特に冷戦の終結後、アジア太平洋地域は安定を実現しており、大規模な戦争はなく、当地域の各方面においても驚くべき進展を遂げている。一方で、米国は「リバランス」を口実に、アジア太平洋における軍事的存在感を増大させている。カーター国務長官も演説で、米国のアジア太平洋での軍事力を「誰の力も及ばない」と褒め上げている。想像してみよう、軍艦と空母を他国の玄関に派遣し、戦闘機を他人の近くに飛行させるなら、安全になれるだろうか。

  アジア太平洋は現在、世界人口の40%を占め、世界経済総量の57%に相当し、世界貿易総量の48%を占めている。世界の経済発展において最も高成長率で、潜在力が最も大きく、連携が最も活発な地域であり、世界経済の復興と発展の重要なエンジンでもある。また、「一帯一路」構想、相互接続パートナシップの建設、アジアインフラ投資銀行の提唱などはいずれもアジア太平洋地域の国と国民から幅広い支持と反響を得ており、アジア太平洋の人々が団結し、経済成長を促すための新しい原動力となっている。それでは、アジア太平洋の発展の大局を前に、米国が力を入れて推進している範囲が狭く、排他性のある経済連携協定は、アジア太平洋地域に共同で繁栄させることができるはずがない。

  外交において、アジア太平洋は一つの大家族で、運命の絆で結ばれており、米国にこの地域であれこれと指図させる必要はない。しかし、カーター国務長官の「リバランス」新段階の説明から、米国が古い盟友関係の基盤を強固にすることを前提に、盟友グループを形成し、盟友間の多国間協力を推進しようと企てていることが容易にわかる。アジア太平洋の数十カ国と地域に対し、米国の「グループ文化」を押し付けるやり方は、団結か、それとも分裂なのだろうか。その答えは自明の理だ。

  米国のブリンケン国務副長官は14日、アジア太平洋諸国が同一のシステムの中で、同一の規則を執行できれば、ウィンウィンが実現するだろうと述べた。

  これには言外の意味があり、即ちシステムは米国のシステムで、規則も米国の規則でもある。このことから、米国の「リバランス」にしても、「新段階」にしても、依然として「覇を唱える」自国の利益のためであることを理解できる。 

(新華網日本語)

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キーワード    アシュトン・カーター,米国
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