【細部への言及を避け、視覚と聴覚を混乱させる】
記者は調査で、日本の教科書の大多数は南京大虐殺の客観的事実を容認しているが、多数の手段を使って歴史の細部と真相を曖昧にしていることを発見した。
第一に、日本の歴史教科書が南京大虐殺の暴行を記述する際は通常、「南京大屠殺」ではなく、「南京事件」を使用している。一部の教科書では、「南京事件」という語句さえない。この手法は大虐殺の性質を大幅に希薄化させ、多くの中国人が当時、戦争中に死亡したという表現に偏り、人為的に大虐殺が行われた性質を否定している。
第二に、南京大虐殺の正確な死者数について、全く提起されていない。「多くの中国の平民が死亡したが、具体的な人数には主張に相違があり定説はない。」という記述が多い。数年前に出版された、一部の日本の歴史教科書は各方面が公表した被害者数を列挙していたが、現在は全く見られなくなった。例えば、日本文教出版社が発行した歴史教科書の注釈には、日本の軍官と士兵の日記に殺害の事例が記されているが、「全体の状況を把握するためには、さらに研究を行う必要がある。」という説明書きがある。
第三に、南京大虐殺の原因に言及していない。南京大虐殺が発生した原因について、各教科書は明確な答えを出していない。以前に、ある教科書の記述に加えられた「旧日本軍が頑強な抵抗に遭った」などの説明は、文字上の意味以外に別の意味が含まれていることは明らかだ。