【新華社北京4月9日】日本の歴史教科書にとって、「南京大屠殺」が争点になることは疑いなく、この事件についていかに記述し、歴史の真相を再現するかという点は、日本の歴史教育が正確かどうかを検証する一つの重要な基準と言える。
新華社記者がこのほど、日本の中学校と高校で幅広く使用する7種類の歴史教科書を精読して比較した結果、すべて南京大虐殺について記述しているが、表現が曖昧模糊としており、読み手によって認識に差が出ることを発見した。
大多数の教科書が南京で発生した旧日本軍による虐殺の事実を容認しているが、大虐殺の性質、被害者数、日本の士兵の暴行などの重要な問題において、「各種各様の主張がある」、「研究中で確定されていない」などの口実を借りる、又は淡化させて、曖昧に処置するか、言及を避けるといった手法が多い。
【詳しい記述はなく、注釈で説明】
記者が調査した歴史教科書で、南京大虐殺に関する記述は通常、正文と注釈を含む。正文の文章は短く、詳しい記述がないことが多く、日本が南京を占領した、又は虐殺事件が発生したと概括するだけだ。多くの日本の教科書が注釈方式を採用し、南京大虐殺に対する正文より長い説明書きを設けている。
注釈内容は第一に日本の南京での虐殺の罪行をやや詳細に説明している。第二に、大虐殺の被害者数について、主張に相違があると説明している。第三に、日本国民は当時、第二次世界大戦が終戦するまで全く事情を知らなかった。
写真について、日本の歴史教科書は通常、旧日本軍が当時、中国への進軍、又は東京の市民が旧日本軍の南京城侵攻を祝賀する歴史的写真を掲載しているが、南京市民が旧日本軍に残忍に殺害される写真を載せた教科書は一つもなく、旧日本軍の横暴な行為の具体的な痕跡を探し出すことができない。