【新華社東京4月7日】日本の文部科学省は6日、来年から使用する中学校教科書検定結果を発表した。出版社は日本政府から重圧を受けたか、又は独自の審査を行った後、一部の教科書の歴史認識問題に関する記述の逆戻りが再度見られた。
「南京事件」(即ち南京大虐殺)について、一部の教科書で記述方式が変わった。例えば、現版の旧日本軍が「多数の捕虜と住民を殺害した」から「捕虜と住民に及び、多数の死傷者が出た」に改められた。別のある教科書では「旧日本軍の暴行は非難された」という記述が削除されている。
日本が韓国を併合した期間に実施された土地調査について、現行教科書は、これは日本が「近代化(韓国)の名義」で実施されたと指摘しているが、文部科学省が検定で異議を唱え、最終的に出版社によって「近代化を目的として」に改められた。第二次世界大戦末期の沖縄戦で、多数の沖縄の住民が旧日本軍によって集団自殺を強制されたが、検定に合格した一部の教科書では、従来の「自殺を強いられた」という表現を「自殺の窮地に陥った」に修正し、旧日本軍の責任を薄れさせている。
日本の文部科学省は2014年1月に教科書検定基準を変更し、教育界に定説が確定していない歴史、領土問題において政府が公に発表している主張を適度に体現するように求めた。今回の検定で、文部科学省は計6つの意見を提起した。このうち4つは、関連教科書に日本の戦後賠償に関する政府の立場などを記載するように要請している。このほか、日本と関連する領有権問題において、地理、歴史、公民の3種類の教材の教科書18冊がいずれも日本政府の立場と主張を提起し、且つ大多数が「固有の領土」とする日本政府の主張を引用している。
日本の教育学者の藤田英典氏はメディアに対し次のように表現した。今回の教科書の検定結果を見ると、教科書の出版社は保守的な世論を配慮し、検定合格を確保するために、旧日本軍の加害的行為などの内容に関する記述を独自に審査した傾向がある。藤田氏はまた、領土問題において隣国の立場を記載していないならば、生徒に隣国に対する敵意を植えつける可能性がある。
(新華網日本語)
当社サイトのコンテンツは著作権法によって保護されます。無断転用、複製、掲載、転載、営利目的の引用は禁じます。
推薦記事:
呂新華報道官:日本政府に歴史に対し責任を負う姿勢を示すよう促す