中国の「創客」、学ぶべきは日本の「匠の精神」

Jp.xinhuanet.com | 発表時間 2015-03-31 16:20:24 | 編集: 谢艳
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   李克強総理は2015年の政府活動報告の中で、「創客(アイデアを現実に変える人)」という言葉を使った。経済学の角度から見ると、新政策による後押しを受けた中国の「創客」たちは、「ニーズはあるが、技術がまだ存在しない」という問題に目をつけ、新しい製品やサービスを生み出すこともできるし、逆に「技術はあるが、ニーズがまだ存在しない」という問題に目をつけ、既存の製品やサービスから新たな特徴を発掘することで、新しい市場を開拓し、新たな生活のニーズを生み出すこともできる。環球時報が伝えた。(文:馮昭奎 中国社会科学院栄誉学部委員、中国中日関系史学会顧問)

   ここで注意すべきは、同じ「今あるニーズ」を満たすための製品 サービスでも、満足させる度合いと水準には大きな開きがあるということだ。当然、消費者はニーズを高い水準で満たしてくれる製品やサービスを好む。近頃日本で買い物をする中国人観光客が激増したことも、この事実を裏付けている。中国人が日本で買って来るのは、何も最先端のハイテク製品というわけではない。「メイド イン ジャパン」の多くは非常にシンプルな製品であり、技術的に重大なイノベーションがあるわけではない。「メイド イン ジャパン」が消費者を引きつけるのは、メーカーが消費者の立場に立ち、堅実に市場調査を行っているからだ。生産現場を重視し、長年こつこつと技術を磨き続けているからだ。「一品入魂」の精神でもって商品の質を絶えず高め、力を尽くして良いものを作るプロセスとその結果から喜びを得ているからだ。日本の学者は、このような精神を「匠の精神」と呼び、丹精込めてものづくりをし、数十年を費やして「一芸に秀でること」を目指す中小メーカーを日本の「国宝」と呼ぶ。

   日本企業が世界的にも評価の高いブランド製品(最終製品と中間製品を含む)を生産できるのは、長年続いてきた「匠の精神」のおかげだ。筆者はかつて、刃を製造する日本の中小企業を視察したことがある。この企業は1930年代末の創業当時、万年筆のペン先に切れ目を入れるカッターの刃を製造していた。同企業はその後、より薄く切れ味が鋭い刃を製造するため夢中で取り組みを重ね、最終的には紙よりもずっと薄い刃を作り出した。数十枚の刃を一列に並べ、1分間に3万回転させることで、硬い単結晶シリコンを100以上のチップにすばやく正確に切断することができる。その切り口は髪の毛の数分の一だ。これらのチップは携帯電話やパソコン、太陽電池、さらにはミサイルなどに無くてはならない半導体チップの原料になる。

   我々は、今ある需要を満たす製品を開発し、さらには新たなニーズを開拓する「創客の理念」を提唱する一方で、すでに生み出された製品 サービスの向上に地道に取り組み、より良くより精錬されたものを作り出す「匠の精神」を提唱する必要がある。中国の持続可能な発展には、「創客の理念」と「匠の精神」という2つの翼が必要なのだ。

(人民網日本語版) 

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キーワード    新政策 創客 
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