国際金融ガバナンスにプラスになる
客観的に言えば、AIIBのような地域にサービスを行う専門性をもつ開発銀行が、世界銀行や現在の地域的な開発機関の世界発展のプロセスにおける主導的地位を変えることはできない。AIIBの役割はそのための補充や利益増進にあり、グローバルガバナンスの秩序を挑発したりその代わりになろうというのではない。
ブリュッセルのシンクタンクである欧州国際政治経済研究所(ECIPE)のフレデリック・エリクソン主任は、AIIBは現在の多国間機関をむしばむ企図ではなく、中国の利益ニーズに基づいて世界の権力構造を再建させようとする提案でもないと述べている。
ある種の程度において、AIIBの発揮する「ナマズ効果」は現在の国際機構の改革を推進する見通しだ。世界銀行や国際通貨基金(IMF)、世界貿易機関(WTO)がグローバル経済ガバナンスの秩序を構成する三つの主な基礎的機構であり、多かれ少なかれ効率の悪さや運営コストの高などの問題が生じることは否定できない。