【新華社北京3月14日】中国の両会(全国人民代表大会、中国人民政治協商会議)の一部の出席者は、「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)戦略の実施は中国の証券会社、保険会社、銀行などの金融機関の海外進出の絶好の時期であるため、関連する規制を緩和し、金融業のクロスボーダー金融サービス能力を高め、金融支援の力を合わせ、同時に一帯一路戦略の実施に協力させるべきだと判断した。また「一帯一路」沿線の重点諸国の利益およびプロジェクトの情報の研究を進め、関連計画を制定し、金融機関と企業による重点的な国・業界・プロジェクトに的を絞った取り組みを促すべきだ。13日付中国証券報が伝えた。
金融業の海外進出にチャンス
「一帯一路」は、中国資本市場で熱心に議論され続けている話題だ。「一帯一路」の全体建設案は、修正を繰り返されている。発表されている資料によると、中国の銀行、証券会社、ファンド、保険会社などの関連機関は金融支援の面において、「一帯一路」を活躍の機会と見なしている。関連機関は自身の特長に適した投資方法を模索しており、収益が得られる時期を事前に判断している。各地でも資金導入や、政策を利用したプロジェクト拡大の兆しが見られる。
全国人民代表大会財政経済委員会委員、中国証券監督管理委員会革新部巡視員の欧陽昌瓊氏は、「一帯一路」戦略の実施は、証券会社などの金融機関の海外進出に絶好なチャンスを提供していると指摘する。新『国九条』は債券先物業界の対外開放の水準を高めるよう求めているが、証券業の開放には、機関設立の双方向の開放、事業のクロスボーダーサービスが含まれる。条件を備える金融機関の海外進出、金融機関の設立と買収を支持・奨励し、中国の設備製造業の海外進出、『中国製造2025』行動計画の実施、「一帯一路」戦略の実施に金融サービスを提供させるべきだ。さらなる対外開放の拡大に関する政策は、上海などの自由貿易区で試行できると欧陽氏が言う。
全国政治協商会議委員、中国工商銀行副総裁の張紅力氏は、「オフショア証券取引市場を設立し、国の『一帯一路』戦略を支援し、沿線国の実体経済と中国資本市場の直接的な連結を加速するべきだ。上海自由貿易区もしくは広東省前海地区で、オフショア証券取引市場を設置し、関連制度によって『一帯一路』沿線国の重点企業による中国上場を促すべきだ」と主張した。