【新華社北京1月14日】ウルムチアジアインフラ投資銀行の設立、400億ドルを出資するシルクロード基金の開設、越境人民元建て決済の推進、地域金融センター計画、越境電子商取引プラットフォームの構築など「シルクロード経済ベルト」の提唱から一年余りに、越境金融協力は沿線諸国と地域における実務協力、互利互恵、ウィンウィンを推進する加速器となり、新たな拠点になりつつある。
中国とカザフスタンが共同管理するホルゴス国際辺境協力センターは、2014年に各国のビジネスマン224万人と入国した延べ約16万台の車両を迎え入れた。国境を跨いで運営されるこの対外開放型の新試験区は、中国西部の辺境地域が企業家を誘致し、貿易を拡大するための新高地となっている。
建設銀行、交通銀行、中国銀行、農業銀行、工商銀行など、記者はホルゴスを取材した際、多くの金融機関がホルゴス国際辺境協力センターに支店を設立していた。金融業界の関係者は、今後3年以内に当地に百軒以上の金融機関が進出すると予測している。
シルクロード経済ベルトの重要拠点におけるこのような金融機関は、ホルゴス経済開発区だけではない。天山南部の重鎮、カシュガルで近く、閉鎖したばかりの総合保税区が採用したのは、中国で開放レベルが最も高く、優遇政策が最も多く、機能が最も万全で、手続きが最も手軽で、運行規則が国際基準にほぼ到達した新しい自由貿易港区モデルだった。税関総署の呉華透巡視員は、これは上海自由貿易区に続く試みでもあり、複製と普及が可能な試験区及びモデル区のために、有利な条件を整える、と述べた。
事実上、経済グローバル化の大背景のもとで、通貨の自由な流動と全方位的で便利な金融協力は、経済発展にとって欠かせない要素となっている。記者は最近、中国西北部の多数の省区を取材した際、西安、蘭州、銀川などを含む多くの地域で、越境人民元建て決済の推進、地域金融センター計画、越境電子商取引プラットフォーム構築などの施策を通じて、中央アジア地域の金融協力を拡大し、人民元の「西側への解放」を加速する動向について把握した。
そのうち、蘭州市は国の認可による蘭州新区の設立を契機として、蘭州新区の発展戦略計画をシルクロード経済ベルトの建設と積極的に融合させ、投資・サービス貿易の利便化といった総合的な改革・革新を推進してゆく。銀川市は中国-アラブ諸国博覧会のプラットフォームを利用して、国際のイスラム金融組織と国外のイスラム銀行との意思疎通や交流を強化し、中国-アラブ諸国の金融協力の模範区を構築する見通し。西安市は昨年5月にもシルクロード経済ベルトの建設に焦点を定めたエネルギー・金融・貿易を中心とした投資優遇政策を打ち出している。
回答者は、シルクロード経済ベルトの建設が人民元の国際化への解決と中国金融戦略の奥行きのあることの構築に新たな経路を提供し、クロスボーダーの金融協力に新しい拠点を提供する望みが持てると相次いでみなしている。
2000年以上も前に切り開かれたユーラシア大陸を貫くシルクロードは、東・西側が往来する橋を架けた。千百年にわたり、各国の使節、隊商、観光客、学者、職人は絶え間なく行き交い、シルク、磁器、お茶、宝石といった貿易が途絶えることはなかったという。今では、世界の多極化や経済のグローバル化が進むにつれて、アジア・欧州の奥地も開放・発展の新たなチャンスを迎えている。
現在中国人民銀行はすでにシルクロード経済ベルト上にある多くの国と通貨スワップ協定を締結しており、今後のシルクロード経済ベルトの貿易、金融の一体化が大量のクロスボーダー通貨取引のニーズを刺激する見通しだ。よって通貨スワップ協定の範囲を更に拡大し、クロスボーダー人民元決済業務を推進し、クロスボーダー電子商務の法律法規体系を構築して、中国のクロスボーダー電子商務への監視、決済、税収などの方面における管理体制を改善し、二国間貿易や投資のために一層の便宜を提供することは、すでに当面の急務となっているという。
(新華網日本語)
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