2014年、中国は前後して19カ国との間に、ビザ相互免除協定を締結したほか、現在37カ国・地域で中国人を対象としたビザ免除措置が実施されている。また、インドネシアではビザ手数料が無料化されたほか、一部の国・地域のビザ手数料も300元(約5775円)以下となっている。さらに、中国と米国、英国、フランスなどの先進国でも中国人向けの長期マルチビザが発行されるなど、2014年はビザに関して大きな進展があった1年となった。中国パスポートの価値が急上昇したことで、ネットユーザーの中には、「2014年はビザの年」と、ユーモアたっぷりに形容する人も少なくなかった。中国新聞社が伝えた。
常に中国や世界各国を飛び回っている華僑や留学生、海外に親戚がいる中国人などは、ビザ(査証)政策によってもたらされた利便性を深く感じている。ビザの新しい変化は観光や短期出張、海外にいる親戚訪問などに対して極めて大きな意義を持つ。
上海に住む劉健虹さんは、現在米国ロサンゼルスで仕事をする夫と共に春節(旧正月)を過ごすための準備を行っている。このため、上海市南京西路にある米国総領事館にビザ申請のため朝早くから列に並んでいた。「毎年、米国に行って夫と共に春節を過ごしており、今回は3回目のビザ申請となる。今回、有効期限が10年の長期マルチビザを申請したので、今後はこの面倒からも解放される」として、「これまで米国のB1/B2非移民ビザを持っていたが、今回偶然にも米国のビザで新しい政策が実施され、大きな変化があった。今後は長時間、長蛇の列に並ぶ必要がなくなる」と嬉しそうに語った。
劉さんが語る「新政策」とは、今年アジア太平洋経済協力(APEC)会議の会期中に米国が発表した中国向けビザの発給要件の緩和策のことを指し、中国パスポートを有する国民で、米国のB1/B2非移民ビザ(NIV)を所有する人は、短期商用や旅行、観光、親戚訪問を目的とする場合、毎年、最長6カ月間滞在可能な有効期限10年間の長期マルチビザを申請できるというものだ。
中国パスポートを持つ人にとって、2014年のビザにまつわる新たな変化は、長期ビザ有効期限延長やビザ免除のほかに、ビザ発行サービスの向上や簡略化も大きな注目点となった。中国パスポートでフランスのビザを取得する場合、これまで48時間から4日間必要だったのが、48時間以内に短縮された。また、英国のビザ申請サービスでは3日から5日で取得できるスピード申請と24時間以内で取得できる特急申請が増設された。
フランスのリヨン第2大学で学ぶ中国人留学生の王晨曦さんは、今年8月にビザを申請したときにその速さを実感したとう。「先輩たちの経験によると、ビザ申請から取得までには少なくとも3日間が必要だった。それが、1日半で取得できるなんて、あまりの速さに驚いてしまった。この1年間を思い返すと、中国パスポートの価値が急速に高まり、ビザ取得率もかなり上がった」と語る。
さらに王さんは、「今後ビザインフォメーションの予約がよりスムーズになり、より多くの欧米諸国が中国人向けのビザ免除措置政策を実施してほしい」と希望を語った。
中国外交部(外務省)の王毅部長(外相)はメディアのインタビューに応じ、「中国パスポートの価値は、中国の世界における価値の上昇にたとえられる。中国の世界進出の足取りに合わせ、今後もビザ免除措置国の開拓をしていくつもりだ。華僑、留学生を含む中国人のビザ政策への期待に応え、今後も2014年以上に努力していく」と語った。
(人民網日本語版)
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