20日、江蘇省の塩城グリーンエネルギー港ふ頭に接岸する、LNG6万3千トンを搭載したLNG輸送船。(ドローンから、塩城=新華社配信)
【新華社塩城3月25日】中国江蘇省塩城市の塩城出入境辺防検査站(出入境検査所)によると、同市浜海港にある中国の石油大手、中国海洋石油集団(CNOOC)の塩城「グリーン(環境配慮型)エネルギー港」のふ頭に20日午後3時ごろ、液化天然ガス(LNG)6万3千トンを搭載してシンガポールからやって来た輸送船が接岸した。同港にとって通算100隻目のLNG輸送船となった。
中国海油塩城「グリーンエネルギー港」プロジェクトの楊培(よう・ばい)副総経理は、同港について「これまでに累計約653万トンのLNGを受け入れ、長江デルタ地域(上海・江蘇・浙江・安徽1市3省)と周辺地域に926億立方メートルを超える天然ガスを供給してきた」と紹介。LNGの受け入れや貯蔵、外部輸送機能を持つだけでなく、冷熱エネルギーの利用やガス発電といった事業も開拓し、総合的なグリーン・クリーンエネルギー供給基地や重要なハブとしての役割を果たしていると述べた。
20日、江蘇省の塩城グリーンエネルギー港ふ頭に停泊中のLNG輸送船を検査する塩城出入境辺防検査站の警察官。(塩城=新華社配信)
重要エネルギー資源の通関速度を向上させるため、同検査站の「グリーンエネルギー港」警務室ではLNGの輸出入に対して事前申告・事前検査、荷降ろし、船舶の出港までを一貫してサポートするワンストップサービスを提供、各輸送船の港の停泊時間が24時間を超えないようにしている。
検査站第4勤務隊の夏浩(か・こう)副隊長は「われわれはLNGの『即荷降ろし・即出港』を実現するための効率的な通関環境の整備に力を入れている。昨年は申告手続きを約7割削減したことで、1隻当たり平均2~3時間の時間短縮を実現し、企業の運営コストを最大限低減した」と語った。
20日、江蘇省の塩城グリーンエネルギー港ふ頭に接岸する、LNG6万3千トンを搭載したLNG輸送船。(ドローンから、塩城=新華社配信)
同港のLNG処理能力は年間600万トンに達する。これは二酸化炭素(CO2)排出量3764万トン、窒素酸化物(NOx)排出量66万8千トンの削減に相当し、長江デルタ地域のエネルギー利用構造の最適化や地域の環境保護に貢献するとともに、CO2排出量を減少へと転換し、実質ゼロとする中国の「双炭」目標の実現にも大きな意味を持つ。(記者/陳聖煒)