技術革新によって世界に伝わる中国文化 山西省

技術革新によって世界に伝わる中国文化 山西省

新華社 | 2025-03-19 16:01:08

山西省運城市の青銅芸術品メーカー、山西宇達青銅文化芸術がドイツに輸出する鹿の工芸品。(資料写真、太原=新華社配信)

 【新華社太原3月19日】中国ではここ数年、優れた伝統文化が見直され、中国らしさや精神性を表現し、さまざまな知恵を秘めた多くの工芸品や無形文化遺産、文化財などが新たな形で世界へ飛び出している。

 山西省運城市にある青銅芸術品メーカー、山西宇達青銅文化芸術の衛恩科(えい・おんか)董事長は「自社開発した着色技術によって、より多くの芸術品を作り出せるようになり、ドイツの人々から好評を博している。取引先と良好な協力関係を保ち、これまでに青銅工芸品10万点以上をドイツに輸出した」と胸を張った。

米国に輸出される山西省の広霊染色剪紙(切り絵細工)。(2月8日撮影、太原=新華社配信/劉立花)

 米国で医療機器ビジネスを展開し、毎年春節(旧正月)期間に同省大同市広霊県の染色剪紙(切り絵細工)を購入しているという中国人業者は、今年も顧客への手土産として千組余りを入手した。

 広霊染色剪紙は国家級無形文化遺産に指定されている。代表的伝承者の張多堂(ちょう・たどう)氏は「かつて年越しやお祝い事の際は、どの家も『窓花』(窓に貼る切り絵)を飾っていたが、時代が移り、若い人はあまり貼らなくなり、職人たちも新たな販路を求めている」と語った。

18日、山西省の広霊染色剪紙(切り絵細工)作品。(太原=新華社配信/劉立花)

 広霊染色剪紙は従来の枠を超え、装飾性や芸術性、コレクション性などを備えた多彩な製品へと進化した。張氏が設立した山西多堂剪紙文化産業パークの年間売上高は1千万元(1元=約21円)余りに上り、米国、日本、カナダ、マレーシア、シンガポールなど20カ国以上に輸出されている。

 科学技術の活用は、文化財について知る方法を変えつつある。多くの文化財が博物館や古建築、石窟寺院から飛び出し、人々の前に生き生きとした姿を見せるようになった。2024年に発売されたオンラインゲーム「黒神話:悟空」は実践例の一つと言える。山西省の古建築や彩色塑像などを取り入れ、中国文化の奥深さや世界観を存分に伝えている。

ゲーム「黒神話:悟空」関連のグッズを選ぶ観光客。(2024年12月21日撮影、太原=新華社記者/解園)

 同省太原市文物局が重点プロジェクトとして企画した「美成天竜-天竜山石窟デジタル復元国際巡回展」は、市内にある天竜山石窟をホログラム映像などで再現。19年からフランス、エジプト、ギリシャで開催されている。(記者/王学濤)

山西省運城市の青銅芸術品メーカー、山西宇達青銅文化芸術がドイツに輸出する花の工芸品。(資料写真、太原=新華社配信)

 18日、山西省の広霊染色剪紙(切り絵細工)作品。(太原=新華社配信/劉立花)

 ギリシャで開かれた天竜山石窟デジタル復元国際巡回展を見学する来場者。(2024年5月11日撮影、太原=新華社配信)

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