中国旅行ブーム続く、外国語ガイド不足が鮮明に

中国旅行ブーム続く、外国語ガイド不足が鮮明に

新華社 | 2025-02-20 10:05:16

遼寧省博物館で外国人観光客に解説する隋玉偉さん(右から1人目)。(2024年10月13日撮影、瀋陽=新華社配信)

 【新華社瀋陽2月20日】中国では外国人に対するトランジットビザ免除措置の拡大を受け、各地で期待に胸を踊らせ、好奇心に満ちた外国人観光客が増えている。中国旅行ブームが急速に盛り上がる中、外国語ガイドは文化交流の絆(きずな)となっている。

 遼寧省瀋陽市の隋玉偉(ずい・ぎょくい)さんは外国語ガイド歴17年を誇る。週6回のレクチャー、新しい外国語ガイド研修生の訓練に加え、ガイドの問い合わせ件数が前年同期比30%以上増えるなど、かつてないほどの忙しさに見舞われており、「分身したいほどの忙しさを急に感じた」と語る。

 さらに、「普段案内する外国人観光客は評判を聞いてやってくる人もいれば、長い間中国で働いている人、瀋陽の外資企業が連れてきた海外のグループもいる」とし、昨年から外国語ガイドを探す人が増え始め、今年1月の問い合わせ件数は前年同月比30%以上増えたと説明した。

 中国は2023年11月以降、トランジットビザ免除政策の調整・改善を続けている。最新の措置でノービザでの滞在可能期間を240時間に延長したことと、24年からビザ免除措置の適用対象国を持続的に拡大したことでインバウンド観光客が急速に増加。24年にビザ免除措置を活用して中国を訪れた外国人は延べ2011万人を超え、トランジットビザ免除政策を活用した人の数も2・1倍に増加した。

瀋陽故宮で外国人観光客に解説する隋玉偉さん(中央)。(2024年11月3日撮影、瀋陽=新華社配信)

 オンライン旅行大手、携程集団(トリップドットコム)のデータでは、昨年11月に韓国など9カ国の一般旅券所持者を対象にビザ免除政策を試行すると、1カ月足らずで韓国人観光客のインバウンドツアーの注文が前年同期の2・5倍以上に増加した。人気の都市は高い順に上海、青島(山東省)、北京、広州(広東省)、深圳(広東省)、大連(遼寧省)、杭州(浙江省)、延吉(吉林省)、成都(四川省)となった。

 中国旅行社協会ガイド専門委員会の孫桂珍(そん・けいちん)会長によると、中国のガイド資格保有者は現時点で約66万人に上り、うち中国語ガイドが約91・6%を占め、外国語ガイドは約8・4%となっている。インバウンド市場の活況が続く中、外国語ガイド不足が鮮明になっている。

 韓国など複数の国のソーシャルプラットフォームで「中国への週末旅行」人気が高まりつつある。上海の主要観光スポットで韓国語を話す人の割合が上昇する中、旅行会社は「韓国語添乗員」の募集を開始した。転職したガイドも第一線に復帰し始めている。

 隋さんは多くの外国人観光客が中国を再訪していることも、外国語ガイド不足の大きな原因の一つだとの見方を示した。「多くの外国人が出張で瀋陽を訪れた後すぐ、今度は観光客として再び私に連絡をとり、中国のもっと多くの都市に連れて行くようと頼まれた」と明かした。

 中国の独特の魅力が外国人観光客を「一見客」から「リピーター」に変えている。多くの旅行会社がインバウンド市場の巨大な潜在力に期待を寄せ、続々と業務の調整と展開を加速している。瀋陽のある旅行会社を例にとると、外国語ガイド不足への対応として経験者を活用するほか、観光関連の大学との交流を強化し、複数言語の外国語ガイドを募集、育成することも計画しているという。

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