【新華社東京2月18日】中国では茶の作法を「茶芸」といい、茶芸の技術、文化を身に着けた人を「茶芸師」と呼ぶ。高級茶芸師の池内巴里さんが東京都内で15日に主宰する中国茶芸教室を訪れると、室内には新春を祝う対句「春聯(しゅんれん)」、中国結びと春節(旧正月)の雰囲気が色濃く残っていた。池内さんは生徒たちに茶芸を教えるだけでなく、季節に合わせて中国の春節文化も伝えていた。
15日、中国茶芸の手本を見せる池内巴里さん。(東京=新華社記者/彭純)
池内さんは中国茶芸教室を開いて20年以上になる。2004年には中国労働・社会保障部が職業技能資格として認定する高級茶芸師の資格を取得。中国の業界団体、中国茶葉流通協会の外国籍会員にもなっている。
15日、池内巴里さんが所有するさまざまな普洱茶。(東京=新華社記者/彭純)
取材に訪れた日には40代から60代以上の7人が稽古に来ていた。稽古歴は長い人で10年以上、短い人で4年。週1回通うことで中国茶が好きになり、家族や友人にも勧めるようになった。
「教室でお茶を点てて、飲むのは本当に楽しく、癒やされる」。稽古歴10年以上の奥貫さんは教室の撮影担当も兼ね、生徒たちの稽古中の貴重な瞬間を記録している。
池内さんは、毎回異なる種類の中国茶を選び、技術を教えるだけでなく、茶の起源や文化についても話す。この日選んだのは普洱(プーアル)茶で「種類が多く、保存の仕方も色々ある」と説明。茶葉を円盤状などの固形にした「茶餅(ちゃへい)」として保存するのも普洱茶の特徴の一つで、池内さんは自身が所有するさまざまな普洱茶餅を披露し、「花開富貴」(運が開き財を成す)、「団団円円」(一家の団らんと円満)」など縁起の良い意味を持つ普洱茶を使った中国料理も作った。
15日、生徒たちに普洱茶を紹介する池内巴里さん。(東京=新華社記者/彭純)
稽古に通う大林さんは「茶芸教室で中国のお茶がおいしく、種類も多いことを知った」と感慨深げに語った。稽古歴4年の杵渊さんは「中国茶は歴史が深く、学ぶたびに理解が深まっていく」と話した。
生徒のほとんどが池内さんの評判を聞いて来たといい、教室の評判は口コミを通じて広まり続けている。日本各地で中国茶の文化を伝え、20年余りで教えた生徒は少なくとも3千人を超える。教室は生徒たちが学びの成果を分かち合い、中国の茶文化を理解する場となっている。
茶道家の倉元さんも池内さんから中国茶を学んでいる。友人の紹介で通うようになり、6年余りで中国茶への理解が深まり、中国茶を愛するようになった。今では自分の生徒にも中国茶を学ぶよう勧めている。「お茶を通じた交流と相互学習で茶文化そのものへの理解も深まった」といい、機会があれば中国に行き、茶園で茶摘みをしたいと語った。(記者/藍建中、彭純)
15日、池内巴里さんの中国茶芸教室に張られた春聯。(東京=新華社記者/彭純)
15日、生徒に茶芸を教える池内巴里さん。(東京=新華社記者/彭純)
15日、中国のお年玉「紅包」を撮影する生徒。(東京=新華社記者/彭純)
15日、池内巴里さんから中国菓子の説明を受ける生徒たち。(東京=新華社記者/彭純)
15日、生徒に茶芸を教える池内巴里さん。(東京=新華社記者/彭純)
15日、生徒たちに中国の「福」字を紹介する池内巴里さん。(東京=新華社記者/彭純)