14日、雲南省のコーヒー豆を紹介する日本雲南総商会の初鹿野会長。(東京=新華社記者/岳晨星)
【新華社東京2月18日】東京・神保町で中国関連図書を扱う内山書店で2024年秋に開かれた雲南省を紹介するイベント「七彩雲南フェア」では、雲南産のコーヒーや茶、雑貨などが販売され、日本での同省特産品の人気の高まりを反映した。コーヒーの試飲ブースにはフルーティーな香りに誘われた人たちが列をなし、ブース脇に陳列された文化や少数民族関連の書籍が「雲南の風情」を醸し出した。
書店とイベントを共催した日本雲南総商会の初鹿野恵蘭(はじかの・けいらん)会長を14日に取材した。「雲南といえばこれまでマツタケを思い浮かべる日本人が多かったが、今では普洱(プーアル)茶や花、コーヒーなどもよく知られている」。日本との経済、貿易、文化交流が深まる中でさまざまな特産品が消費者の目に留まるようになり、雲南の物産は日本で「中国の代名詞」の一つになっているという。
商会は、雲南省と日本各地との交流・協力促進を図るため20年2月に設立された。雲南コーヒーをより多くの人に知ってもらうため、日本の有名な焙煎士やカップテイスターと協力してスペシャリティーコーヒーブランドも立ち上げた。初鹿野さんは昨年のイベントについて「試飲した人の多くが雲南コーヒーの味に驚いていた。アジア産コーヒーに対する固定観念を覆すことができた」と語った。約1カ月間のイベントには、滋賀県から足を運んだ人もおり、内山書店によると、イベント終了後も「どこで買えるのか」という問い合わせが多く寄せられたという。
16日、東京・有楽町のショッピングモールで撮影した生花店。(東京=新華社記者/彭純)
コーヒーにとどまらず、今では多くの雲南の特産品が日本人の暮らしに溶け込むようになった。雲南省の24年の対日花卉輸出額は1億5千万元(1元=約21円)となり、輸出額全体の17・4%を占めた。カーネーションや切り花、キクの人気が高いという。切り花卸大手、大谷商会花き事業部の広報担当、山本七実さんによると、同社が雲南省から輸入する切り花の中で数量、販売額が最も多いはキクで、今年は中国からの切り花輸入をさらに増やすという。
生薬のサンシチニンジン(三七人参)も日本への輸出が増えている。初鹿野さんによると、製薬会社からの需要が年々高まっており、多くの日本企業は雲南省と協力し、日本の市場に適した中国伝統医薬品の開発を行っている。
14日、雲南省の商品を紹介する日本雲南総商会の初鹿野会長。(東京=新華社記者/岳晨星)
初鹿野さんは、雲南の製品は品質の高さだけでなく、奥深い文化も併せ持つと指摘。製品を通じてより多くの日本人に同省と中国を知ってもらいたいと語った。
日本人に馴染みの深い雲南産のマツタケは現在、出荷から24時間以内に羽田空港や関西空港に到着できるようになり、産地から食卓へ迅速においしさを届けている。雲南産のバラも24時間以内に東京の街角に並ぶようになった。雲南産のコーヒーや茶は、日本の消費者の環境意識や健康志向の高まりに応えて有機栽培の規模を拡大し、より多くの良質な製品が日本の家庭に届くようになった。
14日、日本雲南総商会で展示されている雲南省の普洱(プーアル)茶。(東京=新華社記者/岳晨星)
同省特産品の日本進出は、中日経済・貿易・交流の一例に過ぎない。中日貿易はここ数年、高水準を維持し、日本にとって中国は最大の貿易相手国の一つであり、中国にとっても第4位の貿易相手国となっている。
日本雲南総商会は、より多くの日本人が中国文化を直接体験できるよう実店舗の開設も予定している。初鹿野さんは「雲南の美しさも中国の美しさも、自ら体験してこそ感じられる」と語った。(記者/彭純、胡暁格、岳晨星)
14日、日本雲南総商会で勤務中の職員。(東京=新華社記者/岳晨星)
14日、日本で販売されている雲南省のコーヒー豆。(東京=新華社記者/岳晨星)