黒竜江省ハルビン市のソフィア広場で行われた「氷雪ファッションショー」。(2024年12月19日撮影、ハルビン=新華社記者/徐凱鑫)
【新華社ハルビン1月22日】中国黒竜江省ではこの冬、氷雪ブームに乗って氷雪資源の優位性を持続的に掘り下げ、重厚な工業基盤を活用して積極的にイノベーションを図るとともに、氷雪産業の高度化を推進し、新たな経済成長ポイントづくりを進めている。
氷雪シーズンが到来し、同省ハルビン市のロープウェイ・スキーリフト製造企業、ハルビン鴻基索道工程の荘宇(そう・う)副経理は、新しい設備の取り付けや調整、古い設備の点検やメンテナンスに大忙しで、陝西省西安市や湖北省武漢市、新疆ウイグル自治区ウルムチ市、河北省石家荘市などを駆け回っている。ウインタースポーツの人気上昇に伴って多くの地域で大型スキー場が建設され、スキーコンベアやリフトなどの氷雪設備が好調な売れ行きを見せているという。
荘氏は「氷雪ブームが川上、川下産業の共同発展を促しており、氷雪設備・装備製造市場の需要が急増するのに伴い、企業規模が拡大し生産効率が向上している」と指摘。新素材や新技術の探求を続け、科学技術による製品の品質向上を重視したことで、同社の昨年の売上高は前年比20%前後増加したという。
黒竜江省ハルビン市の中央大街にある江蘇省常熟市のアパレルブランド「波斯登」(ボストン)店舗で、「爾浜×波斯登(アルビン×ボストン)」都市限定シリーズの新作ダウンジャケットを紹介する従業員。(2024年11月26日撮影、ハルビン=新華社記者/楊思琪)
氷雪消費が活発化し、巨大な市場規模が氷雪設備・装備に対する新たな需要をもたらしている。同省の氷雪設備・装備産業は重厚な基盤を持ち、スケート靴やスキーリフト、スキー板などに代表される設備・装備企業が、製品の設計・生産能力を強化し、市場シェアを高め続けている。
同省七台河市にあるスポーツ用品メーカー、七台河百凝盾運動装備科技の生産現場は慌ただしく活気に満ち、従業員が全力で生産の推進、技術の改良に取り組んでいる。
同社の王帥(おう・すい)総経理は「1年前からアジア冬季競技大会に向けて準備を進めている。製品の全面的な改良を行い、国際大会の競技基準を満たすようにした」と述べた。同社では特にオーダーメードサービスに注力しており、アスリートの足の形に合わせて特別にカスタマイズするとともに、素材のフィット感や通気性を高め、滑走速度の向上を支援している。
黒竜江省ハルビン市の氷雪大世界で遊ぶ観光客。(2024年12月21日撮影、ハルビン=新華社記者/劉赫垚)
「爾浜」(アルビン、ハルビンに対する親しみを込めた呼称)ブームにより、同省で新たな投資誘致の扉が開かれた。地元では異業種間の新たな協力モデルを積極的に創出し、氷雪産業に新たな活力を注いでいる。
同市では先日、独自性のある「氷雪ファッションショー」が開催された。夜のとばりが下りたロマンチックなソフィア広場で、モデルが「爾浜」の要素を取り入れたダウンジャケットを身にまとって歩き、多くの注目を集めた。デザイナーは同市の文化や歴史からインスピレーションを得て「都市シリーズ」のダウンウエアを制作し、同市の都市文化と氷雪文化の魅力を表現した。
黒竜江省ハルビン市のソフィア広場で行われた「氷雪ファッションショー」。(2024年12月19日撮影、ハルビン=新華社記者/徐凱鑫)
江蘇省常熟市のアパレルメーカー、波司登羽絨服装(ボストン)の李闖(り・ちん)品質管理センター総監は「製品には独創的で目を引く外観デザインを採用し、松花江や中央大街といった地域文化の要素を取り入れている」と紹介した。
同省政府は今年の政府活動報告の中で、氷雪経済主導区づくりの加速や、氷雪スポーツ、氷雪文化、氷雪設備・装備、氷雪観光の全産業チェーンの発展推進、世界的氷雪観光リゾート地と氷雪経済拠点の構築を打ち出している。(記者/劉赫垚、楊思琪)