【新華社パリ1月20日】国際エネルギー機関(IEA)は16日に公表したリポートで、投資の増加、技術の進歩、政策の支援を受け、原子力発電の発展が加速する中、世界420基近くの原子炉の発電電力量が2025年に過去最高を更新するとの見通しを示した。
原子力発電は水力発電に次ぐ第2位の低排出電源で、世界の発電量全体の10%近くを占める。リポートによると、世界で建設中の原子力発電設備容量は70ギガワットを超え、ここ30年で最も高い水準となっている。電力系統における原子力の役割拡大を計画している国・地域は40余りを数える。世界で建設中の原子力発電プロジェクトのうち、中国は大多数を占めている。
リポートは、原子力技術のイノベーションが新プロジェクトの発展にプラスに働くと強調。従来型の原子炉に比べ出力が小さい小型モジュール炉(SMR)は、より迅速に建設でき、コスト削減の余地も大きい。SMRの導入は資金調達コストの引き下げを可能にする。適切な支援を受けられれば、設備容量は40年には80ギガワットに達し、世界の原子力発電総設備容量の10%を占めると見込まれる。
原子力の新時代に向けた歩みの中で、政府は主導的な役割を果たす。リポートは、強力で多様なサプライチェーン(供給網)の構築、熟練労働者の育成、イノベーションの支援、投資リスク解消メカニズムの導入、直接的な財政支援、効果的で透明な原子力安全に関する法律や廃棄物管理ルールの制定など、政府は幅広い措置を講じる必要があるとしている。