【新華社北京1月11日】中国外交部の郭嘉昆(かく・かこん)報道官は10日の記者会見で、中国でのヒトメタニューモウイルス(hMPV)感染症の増加が一部で取り沙汰され、中国渡航を不安視する声もあるとの質問に「中国の呼吸器感染症の流行規模と強度は前年同期を下回っている」とし、国内外の観光客にこれからも快適で安全、便利な環境を提供していくと述べた。
郭氏は「冬季は北半球で呼吸器感染症が多発する季節であり、インフルエンザウイルスはよく見られる病原体の一つだ」と述べた上で、中国での流行の程度は前年同期を下回っているとした。hMPVについてインターネットなどで「中国に未知のウイルスが出現した」などとの論調があることに対しては「主管部門に問い合わせたところ、hMPVは新たなウイルスではなく、人類社会に60年以上存在し、上気道感染を引き起こすよくあるウイルス」であり、症状は自然に治癒する「自己限定性疾患」だと説明。「よくあるウイルスを『未知のウイルス』と言って騒ぎ立てるのは科学的な常識に反し、いたずらに不安をあおることにしかならない」とした。
郭氏はまた「中国政府は常に自国民と在留外国人の健康を重視している。中国の主管部門と技術機関は多種の急性呼吸器感染症の定点観測を行い、モニタリング結果を公開、疾病予防の専門家も科学的な防護措置を繰り返し紹介している」とし、世界保健機関(WHO)とも緊密な意思疎通を保ち、呼吸器感染症の情報を速やかに共有していることを明らかにした。さらに「中国はこれからも必要な措置を講じ、国内外の観光客に快適で安全、便利な環境を全力で提供していく。皆さんも共に努力し、自分と家族の健康をしっかり守ってほしい」と述べた。