亜熱帯の屋外スキー場で町が活性化 湖北省巴東県

亜熱帯の屋外スキー場で町が活性化 湖北省巴東県

新華社 | 2025-01-09 14:36:58

湖北省恩施トゥチャ族ミャオ族自治州巴東県の緑葱坡スキー場。(2024年12月26日撮影、巴東=新華社記者/伍志尊)

  【新華社武漢1月9日】中国湖北省恩施トゥチャ族ミャオ族自治州の巴東(はとう)県は、重慶市から同省内に入った長江の流れが最初に通る町で、三国時代は蜀の辺境地帯だった。

  同県は北緯30度の亜熱帯に位置するが、高山によって特有の山地気候が形成されている。標高わずか100メートル余りの長江河谷一帯から南に30キロほどの緑葱坡(りょくそうは)鎮は標高約1800メートルの高地で、冬は寒く、降雪も多いことから、2019年に最大高低差150メートル、総滑走距離5キロの緑葱坡スキー場が建設された。

  同スキー場は24年12月14日に今シーズンの営業を開始し、1日平均千人余りの観光客を受け入れている。リゾートホテルの客室稼働率は80%前後で安定しており、23年以上のにぎわいを見せている。

 湖北省恩施トゥチャ族ミャオ族自治州巴東県の緑葱坡スキー場でコンベア式リフトに乗る観光客。(2024年12月26日撮影、巴東=新華社記者/伍志尊)

  同鎮は以前の姿からは想像がつかないほどの変化を遂げた。数年前に炭鉱が閉鎖すると、高地野菜やタバコの葉、中薬材(中国伝統医薬の材料)といった産業の発展が緩慢だったことで、多くの住民が出稼ぎのために故郷を離れた。スキー場近くで民泊を営む李黎(り・れい)さんによると、スキー場建設前の同鎮では冬になるとほとんど人がいなくなり、民泊は営業を停止。当時はスキーとはどんなものなのかさえ知らなかったという。

  それが今では、冬になると多くのスキー客が訪れて食事や宿泊をするようになり、23年7月時点でホテルが7軒、民泊施設が156軒にまで増えた。統計によると、スキー場周辺で600人以上の雇用が生み出され、県の年間観光総合収入は平均2億元(1元=約22円)以上増加した。

 湖北省恩施トゥチャ族ミャオ族自治州巴東県の緑葱坡スキー場でゲレンデを滑るスノーボード愛好家。(2024年12月26日撮影、巴東=新華社記者/伍志尊)

  観光客の急増により、同鎮の生活環境も改善した。街灯が明るくなり、水洗トイレが普及し、寒さで傷んだ建物の外壁も地方政府の特別予算で修繕された。

  同鎮政府関係者は「外地で働いていた多くの若者たちが帰郷し、スキー場やホテルで働いたり、スキーウエアのレンタル店や飲食店、民泊施設を開業したりしている。また、商機を捉えて特産品を観光客に販売する人もいる」と語った。

  スキーシーズンが終わると、同スキー場はグラススキー場や花畑、高地野菜栽培拠点へと姿を変える。春の行楽や夏の避暑、秋の観光といった新たな観光商品を打ち出し、冬季限定の運営から四季を通じた運営への移行を進めている。(記者/廖君、楽文婉、張陽)

湖北省恩施トゥチャ族ミャオ族自治州巴東県の緑葱坡スキー場でスキーをする子ども。(2024年12月26日撮影、巴東=新華社記者/胡競文)

湖北省恩施トゥチャ族ミャオ族自治州巴東県の緑葱坡スキー場で記念撮影する観光客。(2024年12月26日撮影、巴東=新華社記者/胡競文)

湖北省恩施トゥチャ族ミャオ族自治州巴東県の緑葱坡スキー場でスキーやスノーボードを楽しむ観光客。(2024年12月26日撮影、巴東=新華社記者/胡競文)

湖北省恩施トゥチャ族ミャオ族自治州巴東県の緑葱坡スキー場でスキーを学ぶ子どもたち。(2024年12月26日撮影、巴東=新華社記者/胡競文)

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