海南省白沙リー族自治県青松郷のキノコ栽培拠点で栽培されるアカダマキヌガサタケ。(資料写真、白沙=新華社配信)
【新華社海口1月8日】中国海南省白沙リー族自治県青松郷では、農家の人々が熱帯雨林の遊休地で栽培したキノコや生薬を農産物仕分けセンターに持ち込み、加工して販売している。このような「林下経済」モデルは、地元の農民が富を増やす秘訣となっている。
林下経済とは、森林や林地とその生態環境をよりどころとし、持続可能な経営原則に基づく生態系に配慮した経済形態を指す。同省の熱帯雨林は利用可能な林地面積が広く、地元政府も住民が生態系に配慮しつつ林下経済を発展させ、収入を増やすのを奨励している。
海南省白沙リー族自治県の熱帯雨林で、キノコを栽培する農家の人。(資料写真、白沙=新華社配信)
仕分けセンターの責任者、柏賢雄(はく・けんゆう)さんによると、青松郷では現在、熱帯雨林で栽培されるキノコの計画栽培面積が7平方キロを超え、農民はゴムの木などの下でアカダマキヌガサタケやシロコカワキタケ、ヒジリタケなどの食用、薬用キノコを栽培している。地元政府も企業、村組織との三者協力を通じて資金を投入し、生産用ビニールハウスや保冷倉庫、乾燥、分別などを整備したほか、農業技術者を派遣して技術研修や指導を行っている。
「仕分けセンターは年間で3千トン以上の農産物を扱い、販売額は1億2千万元(1元=約21円)を超える」。柏さんは、熱帯雨林で栽培されるキノコは汚染がなく、味も良いことから海外でも高く評価され、受注販売方式で日本、タイ、マレーシア、韓国などに輸出していると紹介。毎年延べ7万人余りを雇用することで近隣村民の近場の就業にも寄与していると語った。(記者/陳凱姿)
海南省白沙リー族自治県青松郷の農産物分別センターで、乾燥ヒジリタケを加工する従業員。(資料写真、白沙=新華社記者/陳凱姿)
海南省の熱帯雨林で栽培されたキノコ。(資料写真、白沙=新華社配信)