若い女性らに「麻辣燙」ブーム 日本の中華料理の変化反映

若い女性らに「麻辣燙」ブーム 日本の中華料理の変化反映

新華社 | 2024-12-27 13:42:30

10日、女性客らが行列をつくる七宝麻辣燙恵比寿店。(東京=新華社記者/岳晨星)

   【新華社東京12月27日】中国でおなじみのB級グルメ「麻辣燙(マーラータン)」が日本で大きな注目を集めている。女性向けニュースサイト「モデルプレス」の「読者が選ぶトレンドランキング2024」では「バズったグルメ」部門の2位にランクイン。瞬く間に日本の飲食市場の一角を占めるようになり、若い女性を含む幅広い層から支持されている。

   都内の複数の店舗を取材した。「薬膳スープ春雨」と銘打ってマーラータンを提供するチェーン店「七宝麻辣燙」の恵比寿店から出てきた男性は、近くに住むという大学4年生。月に2、3回は店を訪れるという常連客だ。「おいしいけれどすごく辛くて汗をかいた。健康的だから食べても罪悪感がないので、よく来ている」と語る。

10日、楊国福麻辣燙銀座店。(東京=新華社記者/岳晨星)

   中国でメジャーなチェーン店で東京、横浜、大阪、福岡など日本各地に13店を展開する「楊国福麻辣燙」の銀座店は午後3時ごろになっても大勢の客でにぎわっていた。かつてマレーシアに住んでいたという女性(68)は娘と共にはるばる愛知県から来店した。「マレーシアでよく食べていたので、この味が懐かしくてやって来た」

   同じ店にいた男性は、半年ほど前にSNSでの爆発的な人気を見て「マーラータン巡り」を始めた。「最初はどんな味なのか試してみようという程度だったが、食べたらやみつきになってしまった。食べると次の日も食べたくなる」。具材や辛さを好きなように選べる自由度の高さがマーラータンの魅力だと話す。

楊国福麻辣燙吉祥寺店。(9月30日撮影、東京=新華社配信)

   取材したどの店舗でも目立ったのが、若い女性客の多さだ。ある会社員の女性は、マーラータン好きの同僚に連れられて昼休みに食べに行ったら自分もすっかりとりこになってしまったという。「たくさん野菜を入れて食べられるからヘルシー」というのが、女性を特に引き付けているポイントのようだ。

   楊国福麻辣燙を日本で運営する大天元の李震(り・しん)会長は「中華料理は日本のあらゆる場所で一角を占める可能性を持っている」と語る。「中国の小吃(シャオチー、軽食)の一つであるマーラータンが日本でこれほどヒットしたことは、中華料理の奥深さを物語っている」。今後は日本で店舗を拡大するとともに、日本人の口に合った商品を増やすなど現地化戦略を強化し、文化交流なども幅広く実施する方針だ。

   全日本中華料理・ホテル支援協会の程顕斉(てい・けんせい)理事長は日本でのマーラータン人気について「具材やスパイス、スープを自由に選べるスタイルが、せわしない現代を生きる若者の食生活にフィットしたからだ」と見る。「すぐにできるし20分あれば食べ終わる。人々の生活リズムと『一人飯』の習慣にちょうど合う」

   マーラータンが市民権を得たことは、日本の中華料理の変化を示す現象でもある。程氏によると、かつては日本人好みにアレンジされた中華料理が主流だったが、近年では本場の「ガチ中華」がますます受け入れられるようになった。上海の「生煎包」が焼き小籠包(ショーロンポー)として知られるようになり、アヒルの首肉などで有名な湖北省発祥の総菜チェーン「周黒鴨」も進出するなど、今では地方の「小吃」やB級グルメも珍しい存在ではなくなっている。(記者/胡暁格、岳晨星、許芸潁)

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