第2回黄河口国際バードウオッチングシーズンの撮影コンテスト参加作品。(済南=新華社配信/程建軍)
【新華社済南11月20日】中国山東省東営市の黄河デルタ国家級自然保護区でこのほど、第2回黄河口国際バードウオッチングシーズンの一環として、バードウオッチング・コンテストが行われた。コンテストに参加した周開叙(しゅう・かいじょ)さんは朝もやが立ち込める中、友人らと共に展望塔で望遠鏡を構え静かに待っていた。
やがて周さんが「見てくれ、あれはアオガンではないか」と叫ぶと、遠くにアオガンの姿があった。アオガンは保護区内で1カ月前に初めて見つかった世界的な絶滅危惧種で、主にユーラシア大陸の北極ツンドラ地帯を繁殖地としており、中国大陸での観測記録は毎年5件以下となっている。
周さんが所属する「火鳩棕鶥(かきゅうそうび)」チームは、アオガンの観測によりコンテストで「至尊賞」を獲得した。
第2回黄河口国際バードウオッチングシーズンの撮影コンテスト参加作品。(済南=新華社配信/高暁林)
黄河の河口に位置する東営市は湿地総面積が4567平方キロ、湿地率は41・6%を占める。中国の温帯における完全な湿地生態系が備わっており、世界で最も重要なコウノトリの繁殖地、世界で2番目に大きいズグロカモメの繁殖地、世界で2番目に大きいソデグロヅルの越冬地であるとともに、中国におけるタンチョウ自然繁殖の南限となっている。
面積1530平方キロの黄河デルタ自然保護区では、1992年に187種だった鳥類が現在は374種にまで増えた。今年7月には東営市黄河口渡り鳥生息地が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界自然遺産に登録された。
第2回黄河口国際バードウオッチングシーズンの撮影コンテスト参加作品。(済南=新華社配信/趙文昌)
今月12日に行われた第2回「黄河に沿って海に至る」黄河口国際バードウオッチングシーズンの開会式で、東アジア・オーストラリア地域フライウエーパートナーシップ(EAAFP)事務局のジェニファー・ジョージ最高責任者(チーフ・エグゼクティブ)は「われわれニュージーランドのオオシリハシシギは繁殖地のアラスカに向かうために8日間飛び続け、途中で休息や捕食が必要になる。2019年に中国がこの貴重な海岸線で第1期の渡り鳥生息地建設を届け出たことは望外の喜びだった。そして今、第2期生息地の建設も届け出たとのことで、これはフライウエー・エリアの各国国民にとって喜ばしい」と発言。黄河デルタは世界最大の潮間帯湿地システムの一つであり、百万羽に上る鳥類の移動はこの湿地システムの良好な状態によって支えられていると指摘した。
中国国家発展改革委員会と財政部、国家林業・草原局は6月、中国にある渡り鳥フライウエー4本に重点を置いた初めての国家級保護行動計画となる「渡り鳥フライウエー保護修復中国行動計画(2024~2030年)」を合同で発表した。(記者/袁敏)
第2回黄河口国際バードウオッチングシーズンの撮影コンテスト参加作品。(済南=新華社配信/崔郷選)
第2回黄河口国際バードウオッチングシーズンの撮影コンテスト参加作品。(済南=新華社配信/張暁竜)