7日、石人洞遺跡出土の石製品。(海林=新華社配信)
【新華社ハルビン11月14日】中国黒竜江省文物考古研究所は、同省海林市海林鎮石河村の東にある石人洞遺跡でこのほど、重要な考古学的発見があり、これまでに新石器時代の石製品9万点余りが出土したと明らかにした。
石人洞遺跡は同研究所が2023年に実施した海浪河流域の石器遺跡調査で見つかり、海浪河南岸にある石人山の西端にある。複数の洞窟からなり、痕跡の特徴から材料を得るため人工的に採掘したとみられる。出土した石製品の原料は主に山の岩盤と同じ凝灰岩で、種類は両面加工石器とその半製品だった。放射性炭素年代測定による石人洞の採掘時期は約5700年前で、東北地区で唯一の先史時代の石器原料採掘遺跡となる。
7日、石人洞遺跡の発掘作業。(海林=新華社配信)
黒竜江省文物考古研究所が今年4~11月に発掘調査を実施。三つ設けた発掘エリアから出土した石製品は計9万点余りとまれに見る数量となった。発掘の責任者を務めた同研究所の李有騫(り・ゆうけん)副所長は、出土した石製品が現地の旧石器時代後期の文化の特徴を顕著に備えていると指摘。旧石器時代から新石器時代への移行、先史時代の東北地区の社会の発展などを研究する上で高い価値を持つと述べた。5千年前の洞穴開削は多くの労働力と複雑な技術が必要なことから、中華文明の起源研究で重要な時間点を示す大事な材料になるという。
7日、石人洞遺跡出土の石製品。(海林=新華社配信)
海浪河流域は、中国さらには北東アジアで特に旧石器が密集して分布している地域の一つで、旧大陸で最も複雑かつ多様な打製石器技術をほぼ網羅している。今回の発掘は、海浪河流域の各時期の古人類の石器技術や生産、生活を研究するための膨大な基本資料をもたらしただけでなく、人類の起源や移動の研究にも重要な意義を持つ。(記者/劉赫垚)