中国ペット消費市場が急成長、新トレンドがけん引

中国ペット消費市場が急成長、新トレンドがけん引

新華社 | 2024-10-10 13:30:46

ペット向け施設で遊ぶ柴犬。(資料写真、上海=新華社配信)

  【新華社南京10月10日】中国ではペット消費の潜在力が解き放たれるにつれてペット経済が急速に発展する中、ペットの予防医療が盛り上がり、世話に手間暇を惜しまない人も増え、新たな動向が活況の兆しを見せている。

  ゴールデン・レトリバーをとても丹念に世話している沈婧(しん・せい)さん(23)は「毎月1500元(1元=約21円)ほど使っている。ドッグフードやおやつ、おもちゃ、そして医療費関連の支出が大半だ」と話した。彼女の話にはペット消費行動の実際の姿がよく表れている。EC大手アリババグループ傘下の通販サイト「淘宝(タオバオ)」によると、5月下旬から6月にかけて実施された大型ネット通販セール「6・18」の期間中、ネコやイヌのオーブンベークドフードの取引額は前年同期比2倍に増え、ネコ用レインコートは2・7倍、ネコやイヌのヘアアクセサリーは3・1倍に増加した。

  江蘇威鴻ペット用品の胡子夢(こ・しむ)総経理は「当社のペット用おやつは年間10%以上の伸びを維持しており、市場開拓への自信が深まっている」と語った。

ペット店でレースの襟巻きを試着する柴犬。(資料写真、上海=新華社配信)

  インターネットとペット経済の融合に発展のチャンスを見いだし、世界を視野に入れたペット用品の販路を構築する企業もある。江蘇省蘇州市相城区にある蘇州破浪電子商務のショールームには、ニットセーターやコットンジャケット、術後服など、さまざまなペットウエアがそろっている。

  ペットを飼う人は次第に増えており、これまでペット同伴を禁止していたショッピングモールやホテル、レストランでも、ルールを変更し始めた。

ペットフェアアジア2024で展示されたペット向けスマート製品。(8月23日撮影、上海=新華社記者/張夢潔)

  上海で働くホワイトカラーの趙聡妍(ちょう・そうけん)さんは、休日によく愛犬を連れて高級ホテルでゆったりと過ごす。「ホテルはペットの休暇用スペースを確保しており、厳格なペット対応清掃サービスシステムも備えている」ため、飼い主が安心して休暇を楽しめるのだという。 

  ペットの感じ方を大切にする飼い主のニーズが徐々に高まっており、ペットの飼育基準は向上し続け、きめ細やかな飼育が徐々にペット消費の新たなトレンドになりつつある。  

  ペットフードや日常用品に加えて、ヘルスケア製品やスマートペット飼育用機器などの製品も、ますます消費者の人気を集めている。今年の「6・18」期間中、「淘宝」でのスマートペット乾燥機(ドライルーム)の取引額は5・1倍、スマートペット消臭器も4・4倍になった。

第7回ロイヤルカナン獣医サミット期間中に設けられたペットのワクチン接種エリアの展示。 (南京=新華社配信)

  徐凌(じょ・りょう)さんは2年前から、愛犬の関節の健康や歯の衛生など、長期的な健康予防に注意を払い始めた。「栄養バランスや体重管理など、ペットの予防医学的措置を講じることに注意を向ける飼い主が増えてきている」と徐さんは言う。

  中国獣医協会の辛盛鵬(しん・せいほう)常務副会長兼秘書長は「ペット医療は欠かせない消費財の一つであり、チャンスもあれば課題もある。多くの関係者が協力し、ペット診療を治療中心から予防中心へと転換し、予防と治療の組み合わせを推進する必要がある」と述べた。(記者/劉巍巍)

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