テルモ、中国市場開拓を継続 巨大な医療需要見据え

テルモ、中国市場開拓を継続 巨大な医療需要見据え

新華社 | 2024-09-27 17:32:15

   25日、取材に応じるテルモ(中国)投資の矢野晶靖董事長兼総経理。(杭州=新華社配信/テルモ提供)

   【新華社杭州9月27日】中国浙江省杭州市で25日に開幕した第3回世界デジタル貿易博覧会には日本の大手医療機器メーカー、テルモが2年連続で出展している。同社が中国に設立した持ち株会社、テルモ(中国)投資の矢野晶靖董事長兼総経理が新華社の取材に応じ、中国市場の大きな潜在力と急速に拡大する医療ニーズを見据え、より積極的な戦略を展開し、長期的な成長を目指す考えを示した。

   矢野氏は、テルモの中国事業は現在、心血管疾患の血管内治療製品やメディカルソリューション、血液・細胞治療などの分野に集中していると説明。中でも血管内治療分野は中国市場全体の売り上げの半分以上を占めるようになったとし、同分野の中国での安定した成長を示していると語った。

   同社は今回、デジタル医療分野の革新的な製品を披露した。初公開となった「スマートポンプ」は、輸液ポンプとIT技術を融合させ、輸液プロセスの完全自動化を実現。投薬ミスを防ぎ、病院管理の効率化と輸液の安全性を高めることができる。テルモは、デジタル医療事業の中国でのさらなる拡大を目指すとしている。

   矢野氏はまた、中国市場の急速な成長は単に巨大な人口によるものではなく、社会の発展に伴い、糖尿病をはじめとする成人病患者の増加が医療需要を押し上げていることも一因だと指摘。特に、糖尿病が引き起こす心血管疾患などの合併症は、今後の中国事業展開における重要な成長分野だとの見方を示した。テルモはこれらの疾病の治療に高度な医療機器を提供し、革新技術を活用して患者の治療・入院時間を短縮、治療の効率化に大きく貢献している。

   さらに矢野氏は、中国政府による外資企業支援政策を積極的に活用し、製品の現地生産を強化していく方針を示した。テルモはすでに中国に二つの工場があるが、今後は技術のアップグレードや生産能力の拡大を通じ、現地での生産体制をさらに強化する計画だという。また今後も中国市場への積極的な投資を継続し、中国のスタートアップ企業との協業や買収を通じ、さらなる市場拡大を目指していく意向を明らかにした。(記者/薛臣)pagebreak

   25日、テルモ(中国)投資の展示ブース。(杭州=新華社記者/薛臣)pagebreak

   25日、テルモ(中国)投資の展示ブースで、来場者の問い合わせに応じるスタッフ。(杭州=新華社記者/薛臣)

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